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2008年5月25日 (日)

身内バレの悲喜劇

 二週前のこのコラムで職場バレに怯える女装娘さんのことを書いた。
 自分の隠してきた性癖を周囲に知られてしまうのことを「身内バレ」という。親にバレれば「親バレ」だし、会社にバレたら「職場バレ」だ。
 以前、あるアダルトビデオ作品にゲスト出演した時に会った男優さんは、JRに勤めていた人だった。最初はエキストラとしてAV作品に出演して「趣味と実益」を堪能していたら、ある作品に少し顔が映っているのを職場仲間に知られ、上司に通報されてクビにされてしまったという。やはり大きな組織だと、社員がAV男優(アルバイトだとしても)してるのは世間体が悪いと問題にするようだ。
 バレ話のなかでは本人には気の毒だけれどおかしくて笑ってしまう話はいっぱいある。女装趣味のある青年は、同居している親には内緒で自分の部屋でこっそり女装して楽しんでいたのだが、真夜中、どうしてもトイレに行きたくなり「せっかくお化粧したのだから」と女の子の姿のままトイレへ。そうしたらトイレから出てきた父親とバッタリ顔を合わせてしまった。
 二人とも固まってしまったのだけれど、先に父親がフッと目を反らして立ち去ったのだそうだ。翌朝、何か言われるかと思ってビクビクしていたけれど父親は何も言わない。その翌日も……。結局、何にも言われないまま彼はずっと父親と暮らしている。父親は「寝ぼけて夢でも見たんだ」と思いこんでいるのか、それとも「もしゲイだったらどうしよう。答を聞くのが怖い」と思っているのだろうか。まあもしぼくがその父親だとしたら、やっぱり相当悩むと思うが。
 あるテレビ番組に出演していたニューハーフのお姉さんはこんな「親バレ」話を紹介していた。
 学生時代、親元から離れて東京でひとり暮し。親の目が無いから思いっきり女装して楽しく遊び回っていたら、ある時、その子の留守中に母親が上京し、大家さんが親切にも部屋を開けて中に入れてくれたんだって。
 見れば部屋じゅうに女の服や下着や化粧品。てっきり「息子は誰か女性と同棲している」と思いこんだ母親は、真夜中、遊びから帰ってきたフリフリ女装姿の息子に、正座してふかぶかとお辞儀をして「息子がお世話になってます」と挨拶したんだって。
「お母さん、私よ、あなたの息子よ」と言われて、この母親は二度びっくりさせられたわけだけど、うーん、どんな気持だったろうかね。

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2008年5月19日 (月)

動画の時代

 ネット上では有名な『ユーチューブ』を始め『ニコニコ動画』とか動画投稿サイトが精力を広げている。人気テレビ番組がそっくり録画されて投稿され問題を引き起こしたりするけれど、そればかりではなく、自分の撮影した個人的な動画を投稿して、みんなに見てもらうことができる。
 今は携帯についたデジカメでも動画を撮影できるようになった。高価なビデオカメラでなくても数分程度のムービー画像なら誰でも撮影できる。
 もちろんぼくの専門はポルノだから、研究のためにもエッチ動画はいろいろ見て回っている。静止したエッチ画像はいくらでも見られるから食傷気味になってきたけれど、これが動画だと、なかなか新鮮なんだね。
 やはり目の前でパコパコズコズコぶるんぶるんと動くものってのは迫力がある。音声も入るから静止画像では得られない臨場感もある。
 こないだもある人とデートしたら、動画サイトにアップする作品を撮ってくれ——と頼まれた。もちろん喜んで引き受けた。デジカメを動画モードにして五分ぐらいの動画作品を二、三本撮ってやったけれど、いや、不思議なもので、「はい、スタート」「よし、カット!」と気分は映画監督。(笑)
 なに、単にだんだん服を脱いでヌードになりオナニーするだけのことなんだけど、何の技術も知識もない人間がいきなりポルノムービー撮ってそれを公開できる時代になったのだ。ぼくが頼まれて撮った「作品」も別れて家に帰ったら、もうエッチ専門動画サイトにアップロードされていた。
 そんなわけでネット上にひしめく動画サイトをあちこち見て歩く毎日だが、面白いもので、ふつうのエッチなんかいくらズコパコ動いてもやはり飽きてしまう。
 投稿する側もただエッチ画像だからといって工夫もなく撮影したものを発表するだけでは見向きもされない時代がもう来ているのだ。
 これからエッチ動画を撮って投稿しようとする人は、いろいろ創意工夫をこらした作品を作ってほしい——なんて言っても、ただ、カメラの前でエッチな動きをさせて悦にいる「監督プレイ」だけでも楽しいもんだ。動画を撮影できる道具を持ってるのなら、それを使って刺激的なエッチを楽しんでみるといいよ。

(画像は動画サイトで公開されている、女装美女・中川涼子さんのオナニームービー)

 Movie04

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2008年5月11日 (日)

ひっそりと女装

 最近、テレビのバラエティ番組などで、ふつうの少年青年を女装させる企画がはやっている。
 芸能人が女装するというのは、これはもう「芸の内」で当たり前のことだが、シロウトさんが女装してマスコミにポカポカ登場してきて、みんなが「かわいい〜」「きれい〜」とほめそやす光景には、違和感を覚えないわけにはゆかない。
 ぼくは昔から美しく化けた女装子さんには目がないけれど、GID(性同一性障害)でないフツーの男性が女装するのは、やはり「異常なこと」「秘密にしておくべきこと」「やってはいけないこと」だという前提があって、そのタブーを破るところに快感があり昂奮が生まれるんだと思う。
 それをマスコミが煽って、そこらの美少年美青年がこぞって女装してテレビカメラの前に出てくる風潮は「ちょっと待て」と言いたい。言ってもムダだろうけど。(笑)
 だいいち、最初っからテレビで全国放送されたら「人知れずこっそり女装してみる」という、あの秘密のときめきが感じられないんじゃないかしらねえ。
 女装子さんは誰にも見られないように知られないようにドキドキしながら女モノを身に着け化粧をして、どんどんエスカレートさせてゆく。
 その過程を抜きにして「おまえかわいいから女装しろよ」と、家族まで後押しして女装させるというのは、チト間違えてないか。秘密ゼロの女装に何の価値があるのか。
 女装に耽っている女装子さんは、家族に、仲間に、職場にいつバレるかと思いながら、それでも自分の変身した姿を撮影してネットで公開し続けている。
「隠したい」「でも見られない」という相反した欲望の葛藤。これが女装子さんの生き甲斐なんだろうと思う。それを味わえないで瞬間の女装スターになっても、あんまり意味ないじゃないかねえ。
「まあ、そう言うなよ、お遊びなんだから」と言われそうだが、最近の女装ブームというのはどうも納得いかないんである。
 先日もある女装掲示板で常連の女装子さんが「会社バレしそう」と恐怖を覚え、顔を思いきり修正した画像を発表するようになったけれど、そうやって怯えるところが本来の女装子さんなんである。日影でひっそりと咲く花を日なたにもち出すな。バラエティ女装はんたーい。(笑)

(画像は某民放テレビ局のバラエティ番組がやったアマチュア女装者の特別番組から。ファッションショーにまで登場した。やりすぎ! でも可愛かった(^_^;))

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2008年5月 5日 (月)

男の人形遊び

 デートした女性がバッグの中から取りだしたのは女の子のお人形。三頭身、頭でっかちに独特の大きい目。キューピーちゃんをバタ臭くしたような感じだ。
「へえー、きみもブライスのマニアなんだ」
 最近、この人形にハマってる女性が多いと聞いた。
 1972年にアメリカの玩具メーカーが発売したが、人気が出ないまま生産中止に。ところが2001年、日本でテレビCMに登場してから爆発的な人気が出た。今では日本のメーカーがレプリカを発売している。
 リカちゃん人形なら少女が対象だが、ブライスはオトナの女性がもっぱら可愛がってるらしい。そもそもお値段が高い。一体が一万円以上する。アメリカで生産されたビンテージ・ブライスは四、五十万円で売買されているという。
 その女性は九体のブライスを持っていて、二年ほどの間に百万円ぐらいお金をかけたという。着せ替え人形だから、衣装に凝ると、いくら金をかけてもキリがないらしい。いまや《ブライス産業》と言っていいほどお金が動く巨大市場になっているのだ。
 どこに行くにもブライスを連れて歩いているという彼女に「男には分からない趣味だね」と言ったら「男の子にもブライスのファンは多いのよ」と言われた。調べてみて驚いた。ホントにブライスに夢中になっている男性はたくさんいる。それもいいトシした大人が。
 セックスが出来る等身大のセックスドールならいざ知らず、ブライスはただのお人形。いったいどこがよくて男が夢中になるんだろう?
 さらに調べてゆくと、面白いことが分かった。女性はブライスをいろいろ飾りたてることに熱中するが、男性は、ブライスを改造することに熱中するのだ。
 ノコギリやカッターで頭から胴体まで切り離し、本体部分に外科手術というか整形手術を施して個性的なブライスに徹底改造してしまう。そういった分野でカリスマと呼ばれる男性が何人もいるという。
 女性を自分の好みに変えようとする心理はギリシャ神話のピグマリオンという王様の名からピグマリオン・コンプレックスという。ブライスを分解して自分好みに改造してしまう男性は、まさに現代のピグマリオンということになる。同じ人形遊びでも男と女はずいぶん違うんである。

(画像はキモノを着た黒い目のブライス。目は四色に変えられる。かわいいけどお色気はありません(笑))

Blyth

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2008年5月 3日 (土)

アマゾネスの不思議

 ぼくは本を買うのにインターネット通販の『アマゾン』をよく利用する。アメリカで生まれた書籍専門のネット通販会社だったが、世界中にサイトを置き、今やどこの国の本でもアマゾンを利用することで簡単にすぐ手に入る。
 最近は書籍ばかりではなくゲームや衣料品、靴、時計まで扱ってる。ちょっとしたオンライン上のショッピングセンターだ。だから今の若い人は「アマゾン」と聞けば通販サイトだと思うけれど、ネットをしない人は、まずブラジル北部の大河、ジャングル地帯を流れるアマゾン河のこと思うに違いない。
 しかし、少数だけれど「アマゾネス」という言葉を連想する人間——男がいると思う。
 そういう名前の映画もあったと思うが、ふつう「男に負けない力を持つ強い女」「女闘士」「女戦士」——つまりモーレツな女のことを言う。
 マゾの男性を相手に鞭をふるったりする「女王さま」はアマゾネスと呼ばれたりするし、女王さまがいるSMクラブの店名に「アマゾネス」というのは多い。
 ところが「アマゾン」というのは、もともと黒海沿岸部に住んでいたという女性だけの部族のことを言ったのだ。そこの女はみな戦士で馬に乗り弓の名手。弓を射やすいように乳房を切除したといわれている。伝説だけどね。
 つまりアマゾンと言うだけで女人族の女戦士という意味がある。本来男はいないのだから、女性形のアマゾネスにする必要は本来ない。(ホストは男だから女の場合はホステスという)。実際、『アマゾネス』という映画の原題は『アマゾン』だった。
 どうしてこんな妙なことになったのだろうか。「フランス語ではアマゾネスというのだ」という説もあるが、綴りはそうでも発音はアマゾーン。どうもアマゾネスという言葉を発しているのは日本だけらしい。つまりアマゾネスは誤用が定着した和製英語なのだ。知らなきゃなんてこともないが、知ってしまうとアマゾネスと聞くたび違和感を感じる。
 同じような違和感は「アナルを広げてファックする」というような文章を見ても感じるね。アナルは形容詞。アナル・セックスというのは正しいが、「アナルを責める」とか「アナルで感じる」というのは間違いで、その場合はアヌスと言わないといけない。しかしアマゾネス同様、もう間違いを正すことは無理だろう。誤用も皆が使えば正しい言葉になっちゃうんであるから。

画像は日本で売られている「アマゾネス」もののDVDジャケット。
英語では amazon と書かれていることに注目。

Amazon_amanda

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