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2008年12月 8日 (月)

SM雑誌の衰退

 SM雑誌のなかでは最後の最後まで健闘していた『SMスナイパー』という雑誌が、ついに年内で休刊する。これからはネットでやってゆくらしい。
 これで月刊のSM専門誌は一冊も無くなってしまった。残るは隔月刊の小説誌とマニア誌ぐらい。SMブームといわれた一九七〇年代末から八〇年代始め頃は、SM雑誌がいくつも創刊され、多い時は十誌近くのSM雑誌がしのぎを削ったものだ。そんな時代が夢のようだ。
 ぼくは「官能小説作家」ということになっているが、本来はSM作家だと思っている。そもそもデビューしたのがSM雑誌で、SM小説をずっと書き続けてここまでやってこられた。
 ぼくを育ててくれたSM雑誌が消滅してしまっては、ハッキリ言って「SM作家」がいられる場合がない。発表する場も無いのだからSM作家が育つわけがない。ぼくが最後のSM作家になるのだろうか。だから名刺を渡すたびに「絶滅危惧種に指定されているSM作家というものです」とウケを狙って言うのだが、笑ってくれる人は少ない。もう絶滅にしたに等しいのかね。
 そうは言うけれど、これがネットの世界にゆくと、SMはどこにでもある。画像や動画、DVDの販売などは盛況だし、小説だってけっこうサイトがあっていろんな人が書いた作品が発表されている。
 これだけSMが広くゆきわたっているのに、どうして雑誌がダメになるんだろうか。それはやはりインターネットに負けたんだろう。
 以前はSMに関する情報は映像でも本でもなかなか手に入れるのに苦労したものだ。今ではほとんどのものが何の苦労もなしにタダか安い金でネットから手に入る。難しかったパートナー探しも、雑誌よりはネットで探すほうが絶対に早い。特別な趣味ならなおさらのことだ。
 その点、雑誌はけっこう高い金をとりながら、ネットで手に入るのと同じようなもの、どうでもいいような情報ばかり載せてきた。スピードという点でも、書いた時から一カ月しないと知らせることが出来ない月刊誌は、もう完全に負けていた。要するに読者から離れてしまったのだ。
 というわけでSM雑誌が衰退するにはそれなりの理由があるのだけれど、しかし寂しいものだね。どこかに「ネットに負けないSM雑誌を造ろう」という気概のある出版社は無いものか。ネットでは見つけられない熱い欲望を求めるマニアはいっぱいいるはずだ。

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コメント

紙はいま難しいですね。ネットの利便性に勝るところがほとんどありません。

逆に紙を捨てて、ネットで革命児のほうが容易い洗濯かもです。

投稿: ss | 2009年7月 5日 (日) 00時35分

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