« 2009年4月 | トップページ | 2009年6月 »

2009年5月19日 (火)

荷風の「打ち止め」

 永井荷風は明治、大正、昭和と三代の世を飄々(ひょうひょう)と生きて、好き勝手に自分の性欲を満足させ、色ごとばかりの情痴小説ばかり書き、文化勲章までもらって、最後は大金を貯めこみながらむさ苦しい狭い家に七十九歳で死んだ。
 何物にもとらわれなかった生き方に共鳴する人が多く、荷風人気は衰えることを知らない。今年は荷風生誕百三十年、没後五十年ということで岩波書店からまた全集が出る。ズバリ『荷風』というレトロな時代を懐かしむ雑誌も売れてるし、荷風について書かれた単行本も毎月一冊は必ず刊行されているんじゃないだろうか。
 ぼくは学生の頃からの荷風ファンで、荷風に関する書物はなるべく買っているけれど、最近はもうため息が出てしまう。「もういいよ」と思うぐらい、荷風本は溢れかえっている。まったくこんなに愛される「文豪」はいない。
 最近出た『不良中年の風俗漂流』(日名子暁、祥伝社新書)を手にとってみたら、ギャッ、荷風の女遊びについて詳しく書かれてる。うはあ、これはもう買うしかない。ここにも荷風ファンがいたのだ。
 そのなかで興味をひいたのが、稀代の色豪であった荷風が「男の機能を失った」という部分。これは有名な日記『断腸亭日乗』にも書かれているのだが、ぼくは忘れていた。
 戦争も末期になった昭和十九年十二月三日に六十六回めの誕生日(満六十五歳)を迎えた荷風は「この夏より漁色の楽しみ尽きたれば徒(いたずら)に長命を嘆ずるのみ」と記している。あちらのほうが役に立たなくなった——と悲しんでいるのだ。
 うーむ、あれだけ女を漁って色欲に耽っていた人物も、六十五になればダメになったのか。しかし……。
 今の世、見わたせば六十五ぐらいならまだまだ意欲まんまんの「オヤジ」はいくらでもいそうだ。官能小説評論家のNさんは七十を超えても恋人とデートして楽しんでいる。荷風は生来、虚弱の体質だったので、そのぶん早くに打ち止めになったのだろうか。
 日名子さんは「荷風の時代にバイアグラがあったらどうだろうか」と想像している。もちろん使って楽しみ続けただろうね。戦後、「濡れズロ草紙」という過激なポルノ小説を書き、浅草のストリップ劇場に足繁く通い、男女の寝室を覗くのをやめなかったエロ爺さん、荷風のことだもの、「くそッ、わしが生きてる間にそんな薬があったら……」と、あの世でさぞかしくやしがってるんじゃないか。
(2009年5月15日付)

画像は、戦後、浅草のストリップ劇場で荷風を囲む踊り子たち。荷風は楽屋に入りびたって踊り子たちと会話するのが日課になっていた。

Kafu_stripper

| | コメント (0)

「けいれん」が起きたら

 セックスしている時に足が「つる」ということがないだろうか。これ、時々経験するんだけど、相手が夢中になってる時に起きたら、せっかくのいい気分が台なしだ。「どうしたもんだろう」と何でも知ってる友人に相談したら、「それは、起きないようにする体操があるんだ」と言われた。
 はだしで床に立ち、爪先立ちして歩く。それだけだという。バレリーナみたいにできるだけ踵をあげてちょこちょこと歩き回るのを疲れるまでやるのだ。これを週に一回でも続けていると、足がつることは無くなるそうだ。そのアドバイスに従ったら、確かに起きなくなった。足がつったりこむら返りに悩むひとがいたらやってみるといいよ。
 こういう「意志と無関係に動く筋肉の震えや緊張」が痙攣(けいれん)だ。セックスの時、女性の下半身や手足がビクビク痙攣するようになったら、それは充分に感じている証拠だ。演技でイクふりをする女性は多いが、本気のオルガスムスは膣が内側からギューツとペニスを締めつけてくる。そうなったら演技ではないのだ。安心しろ。(笑)
 ただ、いきなり膣が痙攣を起こしてしまうことがある。入れる前なら入らないだけだが、もしその時ペニスが入っていたら勃起したまま抜けなくなる。最後は壊疽(えそ)起こすのでたいそう危険だ。
「膣痙攣というのは都市伝説だ」という説もある。「知り合いの女性が救急病院の看護婦で、夜勤の時に膣痙攣を起こした男女が繋がったまま救急車で運ばれてきた。その女というのが有名なタレントの◯◯◯で……」というような話。救急病院の医者や救急隊の関係者に聞いてみても膣痙攣で離れられなくなり、救急車で運ばれた患者など、まずいないという。
 とはいえ、「膣痙」「ヴァギニスムス」という医学用語はちゃんとある。ごく稀に女性が驚くかなにかでペニスをくわえこんで抜けなくなることはあるようだ。これはもう、男にとって悪夢だ。いや笑いごとではなく。
 ふつうは医師が鎮静剤や筋肉弛緩剤を与えて痙攣を止めるのだが、医師を呼ぶにも呼べない時は、女性の肛門をマッサージして、中に指を突きいれるといいそうだ。肛門と膣の筋肉は連動しているので、肛門が広がると膣の入り口も広がるらしい。万が一の時は思い出してくれたまえ。幸運を祈る。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

セックスの効用

 人間って生殖以外の目的でセックスする唯一の動物らしい。
 では、何を求めてセックスするかというと、男は官能的な快楽を求め、性欲を満たすためというのが一番だろう。女は、性欲と同時に文字通りの「触れあい」を求めることが多い。セックスを介して男とコミュニケーションをとりたがるわけだ。そういう効用があるからこそ、セックスを頻繁に楽しむカップルは、心も通い合ってうまくやってゆける。
 では、それ以外にセックスの効用というのはあるだろうか。イギリスの作家キングスレー・エイミスが書いた『酒について』というエッセイのなかで、彼は二日酔いの治しかたをいくつも挙げているけれど、その一つに「傍に女性がいれば猛烈にセックスする」というのがある。
 うん、これ、分かるね。二日酔いで頭は痛いわ気持ちは悪いわ意識はもうろうとしているわで大変な時なのに、奇妙に性欲が高まっていることがある。
 エイミスが言うように、そんな時にセックスしたことがあるけれど、けっこう具合がよかった。夢中になってやってると気分が悪いことなど忘れてしまい、終わったあとはすぐに眠って、次に目が覚めた時はもう二日酔いは治っていた。なんだろうね、汗をかくからかな。
「そう都合よく、女が傍にいるものか」と嘆くことはない。オナニーだってけっこう効き目がある。今度二日酔いになったらやってみたまえ。猛烈にやりすぎて体力を消耗するようなことがないかぎり、セックスは疲労回復、気分転換の良薬だということになる。
 そもそもちゃんと勃起して挿入できて射精できるならば、男の体はうまく動いているということだ。オナニーでもいいから時々射精するということは男の生理的メカニズムをメンテナンスしてるようなもので、禁欲などよりずっと有益なことなんである。
 そういえば最近、ネットで知り合った男性が「ぼくは直腸ガンが発見されたけれど、毎日セックスをしているうち、抗ガン剤も使わないのにみるみる小さくなって、手術する必要もなくなってしまった」と自慢していた。
 毎日笑っているうち、難病が治ったという患者の話を聞くことがあるけれど、気分がよくなれば体の免疫力が高まるのは本当らしいから、セックスでガンが治るというのもまんざらホラ話ではなさそうだ。その時にそれだけの体力があれば、ぼくもぜひ試してみたい。

| | コメント (0)

SMも草食系?

 前に、最近は「草食系男子」に「肉食系女子」なんて言い方がされていると書いた。男性のほうがセックスに淡白で、女性のほうが貪欲になる傾向のことをうまく表現している。
 考えてみれば、ぼくの専門であるSM方面でも、草食系男子が目立つような気がする。
 パートナーに満足しないM(マゾ)の女性がとにかく多い。今はいろんな出会いの場があるから、S(サド)の男性を探せば、とにかく見つかることは見つかる。しかし、いざプレイしてみると、彼女たちを満足させられないS男がとにかく多い。
「とにかく、縛り方、責め方がへた。Mの気持ちが分からないで、自分だけ満足して終わってしまう」——それが草食系S男の共通点らしい。
 M女性はそもそも、縛られたり責められたりする過程で激しく興奮する。それを期待してプレイするわけだが、苦痛を与えるにも恥辱感を与えるにも中途半端。軽く縛って下着を脱がせてすぐセックスして射精。はい終わり。
 M女性はそんなものでは全然満足できない。ただのセックスをしたいわけじゃないのだ。ねちねちと責められてマゾ心を刺激して欲しいのに、それがまったく分かってない。だから「いいパートナーが見つかった」と喜んでいるS男は、相手のM女性にすぐ逃げられてしまう。
 ぼくのところにも「きっちり責めてくれるS男さんはいませんか」と言ってくるM女性が多い。だからといってただ荒々しくすればいいってものじゃない。それでは単なるDV男だ。いくらマゾだからって単に痛いだけのプレイなんてしたくない。
 それを言うと「Mはわがままだ」ということになるのだが、そこらへんのM女性の心の機微をうまく察知して、自分もS心を満たし、相手のM心も満足させてやれるサドの男性は、もうめったに見られなくなってしまった。以前のS男は「どんな女でもおれがMに調教してやろう」という意欲が強かった。まさに肉食系。
 SMの分野でも「ナマの女性がいなきゃいないでいいや」というような草食系Sが増え、肉食系Sが減少の一途だとすると、SM雑誌が売れなくなるのも分かる。
 友人でMの人妻さんと出会ってラブラブのパートナーになったS男に「きみたちのプレイは草食系か肉食系か」と質問してみたら「縛って責めてるうちについクンニに夢中になってしまう。マン食系かなあ」だと。それって典型的な草食系だと思うぞ。 

| | コメント (0)

おっぱいの不思議

 陽気がよくなるに連れて上に着ているものが薄くなり、女性の胸のふくらみが悩ましく目に映る機会が増えてきた。そこでボインの研究。(笑)
 かつて月亭可朝が『嘆きのボイン』という歌のなかで「ボインは赤ちゃんが吸うためにあるんやで。お父ちゃんのものと違うのんやで」と歌っていたけれど、この歌詞はどうも事実ではないようだ。
 動物行動学者デズモンド・モリスらの研究では、おっぱいは本来、父ちゃんとか恋人の男もので、赤ちゃんは自分が必要な時だけちょっと使わせていただく、そういう器官なのだということになっている。
人間も含めた哺乳類動物のなかで、妊娠する前からボインで、子育てを終えたあともまだボインのメスというのは、人間以外は無いんである。
 猿だって子育てに必要な間だけおっぱいがふくらみ、役目を終えると引っ込んでしまう。考えてみると、そのほうが合理的だ。よぶんな出っ張りが無いだけ動きやすいし、肩こりに悩むこともないと思う(たぶん)。
 しかもだね、肝心のおっぱいを与える能力が、このボインの度合いに比例しないのだ。ぼくの知っている女性編集者はかなりの巨乳で作家連中を悩ませてきたものだが、結婚して出産したら、なんと母乳の出が悪いというので大変苦労したらしい。
じゃあ、あの巨乳はいったい何のためだったのだ。
 母乳で子育てした経験のある母親なら、赤ちゃんの乳首の吸い方は父ちゃんや恋人が吸うのとは違うことが分かる。哺乳瓶の乳首は赤ちゃんが吸いやすいように、ホンモノの乳首とは違うように造られている。つまりホンモノは赤ちゃんより男たちが吸いやすいように造られているのだ。つまり女の乳房は最初っから男たちのものなんだね。
 友人が不倫している相手の人妻さんは、本人が嘆くほどの「ペチャパイ」なんだそうだが、母乳はコンコンと出て授乳になんの苦労もなかったそうだ。大きさと授乳機能は関係ないわけだ。
 その友人曰く「最初に会った時から吸ったり揉んだりしてかわいがっていたら、半年もしたら以前より盛り上がってきた。向こうも驚いていたけどおれも驚いた。おっぱいは男のかわいがり次第ということかねえ」
 女性ホルモンが刺激されたせいなんだろうか。ペチャパイの奥さん恋人をもつ男性は、もう少し努力しておっぱいをかわいがってあげよう。

| | コメント (0)

男が消えてゆく?

男性雑誌の編集部にいる知人が嘆いていた。
「昔は、女の子にどうやったらモテるかというハウツウ記事をやれば、それなりに確実に売れたものだけれど、最近はサッパリ。男の子が『女にモテなくてもいい』と思い始めたようだ。つまり異性にもセックスにも欲望を抱かなくなってしまった」
 なるほど「草食系男子」の存在が注目されているわけだ。昔は中学高校となれば、女の子とどうやって親しくなるか、それしか頭になかったものだけれどねえ。そういう欲望が失せているとしたら、男の子に何が起きているんだろうか?
 考えられるのは「男の遺伝子が壊れている」という説かな。ふつう人間の形質を次代に伝えるための遺伝子(性染色体)は対になっている。オリジナルとコピーがあると思えばいい。そうするとどっちかの情報が壊れても、別のほうの情報と比較対象して、壊れた部分を修復することができる。
 ぼくもパソコンのデータは、内蔵のハードディスクとは別に外付けのハードディスクに保存している。二重に保存されていれば、どちらかが壊れてももう一つのほうのデータで回復できる。非常に安全性が高い。ペアで管理するというのは、人間の遺伝子と同じやりかたなんである。
 ところが性別を決める性染色体は、男の場合は一つしかない。そのデータが壊されると、もう修復できない。世代を重ねるたびにどんどん男の遺伝子だけが壊れてゆき、最後は役に立たなくなるのではないかとさえ、危ぶまれているんだそうだ。そうなれば男が全部滅びて、世界は女だけになってしまう。当然、人類は絶滅してしまう。
 このところ人類はだんだん男の子を作れなくなってきているのは確からしい。その原因が遺伝子レベルにあるとすれば、いかに男性雑誌が女のヌードや女にモテるハウツウ記事を書いてもムダというものだ。
「それは大変だ。いったいどうしたらいいんだ」と騒いでも、最終的に破滅を迎えるのはずっと先のことでぼくらが今騒いでも意味はない。せいぜい自分たちだけはせっせとセックスに励んで、これから成熟する男の子たちに「セックスってすごく楽しいぜ。女の子を早くゲットするといいよ」と、見せつけ教えてやることぐらいかなあ。東京スポーツの役割も重大だ。(笑)

| | コメント (0)

« 2009年4月 | トップページ | 2009年6月 »