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2009年6月27日 (土)

白木屋のズロース

 先日の『いろ艶筆』で井沢元彦さんが「白木屋の火事」について書かれていた。
 東京日本橋のデパート白木屋は、1932年(昭和7年)に火災が発生し、上の階にいた女性店員八人が逃げ遅れて殉職した(男性は六人が死亡)。
 この時、女性店員が死んだのは「ロープを伝って下る時に和服の裾がまくれて陰部が見えるのを恥ずかしがって手で押さえようとしたから」だと言われてきた。
 それまではノーパンだった女性がパンツ(ズロース)をはくようになったのは、この悲劇が教訓になったから——というのが「白木屋の火事」。井沢さんは「都市伝説だという話もある」として確認を求められていたようなので、不詳エロ問題研究家の小生がお答えしてみたい。
 ズバリ、都市伝説です。この事件については風俗史研究家の井上章一さんが『パンツが見える』(朝日新聞社)という書のなかで徹底的な検証を行ない、目撃者の証言や新聞報道などから「恥ずかしがってロープを手放したなどという事実は無い。完全な虚構である」と断じている。つまり真っ赤なウソってこと。
 では、どうしてこういうウソが真実のように伝わったかというと、経営陣の責任逃れだったようだ。避難訓練などしないで死者を出した経営者は「女性店員が死んだのはズロースをはかなかったため」という作り話をでっちあげ、自分たちの責任を軽くしようと思ったのだ。ひどい話である。
 井上さんは「白木屋の火事が女性のズロース着用の動きを促進した証拠もない」とも言っている。
 それはともかく、多くの男性がズロースとパンティの違いを知らないようだ。中には「同じものだけれど名前が違うだけ」と認識している人もいる。おじさんに多いが、困ったことである。
 どちらも「女性のパンツ状下着」であることは同じだが、ズロースは全体にゆるく、肌に密着していない。さらにボクサーショーツのように腿の部分でゴムで締めつけている。
 パンティは股の部分で切れて腿を覆わない。そして全体に肌に密着している。日本では戦後、昭和二十年代後半からズロースにとって替わり、三十年代(1955年〜)にパンティという名称も定着した。
「ズロースとパンティは違うモノ」としっかり覚えてほしいものだ。

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