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2009年10月21日 (水)

関西のエロパワー

 ある雑誌で読者の性体験告白を募集している。その投稿原稿を選考してくれと言われて毎日、せっせと原稿を読んでいる。
 こういうのに応募するのは圧倒的に男性だ。やはり男性のほうが性体験が豊富だからだろう。そして中高年が多い。なかでも、かつて「企業戦士」と呼ばれ、いまは退職して年金生活に入った世代が多い。原稿の内容は一種の自伝ポルノになるわけだが、青春時代やサラリーマン時代に体験した忘れがたい体験を、ひまになったこの際、文字にしておきたい——という願望が強まるのだろうか。
 その老人パワーにも圧倒されるのだが、何よりも印象的なのは「関西からの投稿が多い」ということ。会話の部分が関西弁だからすぐ分かる。そういう投稿が三分の二ぐらいを占める。
 昔からそうだが、エロの世界では関西が圧倒的に強い。ストリップは今でも「関西ストリップ」と看板に書かないと客が入らない。ストリップに限らず、エロな風俗は関西で生まれ関東にやってきたものが多いのは有名。ポルノ文学の世界でも、団鬼六先生をはじめ、売れっ子は軒並み関西系の作家だ。
 ぼくがSMポルノを書きだした頃、勝手に師匠として仕えていた蘭光生先生に「君は北海道生まれだな。この世界で大成しないぞ。SMポルノは関西生まれでないとダメだ。おれも東京生まれだから苦戦しとる」と言われたことがある。そして実際、蘭先生に言われたとおりぼくは大成しなかった。(笑)
「その頃も今も事情は変わらないなあ」と、投稿作品の選考をしながらつくづく考えさせられる。よく関西人は「えげつない」とか「ねちっこい」とかいうけれど、なにごともアッサリ、サッパリを旨とする関東人にはない持続するバイタリティがある。
 エロの分野でもそれが横溢しているのだ。告白原稿の行間から「わてはこんなおもろい体験しましたんや。どや、おもろいでっしゃろ」と、書いた人間の意気込みがジクジクと伝わってくる。カッコつけたがる関東人の原稿にはない生臭さがある。どぎついサービス精神がある。
「うーん、これはかなわんなあ」とぼくは唸ってしまうのである。といって、これから関西人に生まれ変わるわけにもゆかんしねえ。
 まあ、ぼくがSMポルノで大成しなかった理由は、他にもあるんだと思うが。(笑)

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