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2012年11月30日 (金)

タイツに萌える理由

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(イラストレーション by 中村成二)
 寒くなってくると、女の子の足が黒い。やたら黒い。肌が黒いわけではなく、黒いタイツをはくから黒いのだ。
 ぼくはあまり他の街は知らないが、少なくとも東京都港区かいわいでは、スカートやショーパンをはく女の子の九十九パーセントは黒いタイツをはいている。去年はこんなに多かったかな。黒タイツが今年の流行なんだろうか。
「パンストをはいてる子だっているだろう」と言われる。そもそもパンストとタイツはどう違うんだろう。形状はまったく同じだ。パンストは黒でも肌が透きとおる。タイツは透けない。パンストの分厚いのがタイツと考えていい。ぼくの基準では、スカートをめくってパンツが透けるのがパンスト、透けないのがタイツだ。港区ではパンスト率は低い。
 男のパンストファンというのは多い。薄いナイロンから透けて見えるところがセクシーでエロだからだ。ところが透けない素材のタイツであっても、夢中になるマニアというのもけっこう存在する。これが不思議である。
 衣服フェチというのは肌にぴったり密着する薄い素材に惹きつけられる傾向が強い。タイツというのはパンストよりもぴったり感が薄弱だ。生地はモコモコしている。時にはハッキリたるみが現われる場合がある。
「そこがいいんだよ」と、知りあいのタイツマニアが教えてくれた。
「パンストは肌と密着感がありすぎる。タイツの場合は、ほんの少し、肌との間に空間が出来る。素材が少し厚いから空気と熱がこもる。それがそそるんだなあ」
 うーむ、よく分からないが、これもフェチの一形態なんだろう。ブルマーでもぴったりした今のブルマーより「ちょうちんブルマ」と呼ばれる昔の形状を愛するマニアがいる。下着も今のパンティやスリップよりも、ズロースやシュミーズなど、肌に密着する部分が少ないものを愛好する人種がいる。
 前にも書いたが「冬になればなるほど嬉しい」という着装マニアがいた。寒くなればいろいろ着込む。そうすると肌と服の間にいくつもの空気の層が出来て、それぞれに女体の体温や体臭がこもる。その豊かさがたまらないというフェチなのだ。だから全裸になられると、とたんに萎える。
 モコモコタイツに萌えるフェチは、たぶん、こういうフェチの最初の段階なんだろうと思う。うむ納得。ひとりで納得。
(↓画像は、『東京画像旅団』より。
http://blog.livedoor.jp/ryodan13/archives/cat_50096565.html)
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2012年11月24日 (土)

これからは「してあげるS」

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(イラストレーションby中村成二)
 官能作家仲間の深志美由紀さんが、自分のブログで「拘束について考える」という題で書いていた。一読、ふーむ、なるほどなるほど、といたく納得したので、特に男性諸君に内容を紹介してみたい。
 ここで言う「拘束」というのは、SMプレイにおける緊縛よりはもっと軽いものだ。手首を軽くネクタイでくくるとかガムテープを巻き付けるぐらいの感じ。とりあえず女性の自由を奪えればそれでいい。
 深志美由紀さんによれば、女性はこういう状態にされて、いろいろ感じさせられるというのが好きらしい。いや、男も好きだろうけれど、女はもっと積極的に好きだと言うんである。
 なぜかというと、身動きを封じられることにより「私は何も出来ない、しなくていい」そして「これから起こることは私の意志とは関係ない、私に責任はない」という、心理的な安心を得られる状態だから。
 彼女が言うには「女性にとって、セックスでアレしてとかコレしてとか、言うのはとても恥ずかしいことで、気持ちの良いことに興味はあるし、できれば気持ち良くはなりたいけど、こちらからお願いするのは気が引ける」ことなんだそうだ。
 男はその点、自分の好き勝手に「ああして、こうして、こうしろ」と言える生きものなんで、そうなると女性は男性を満足させる努力を強いられるわりに、自分はさほどサービスしてもらえない、ってことになる。つまり、たいていの女性は欲求を満たされていない。
 そこに「体の自由を奪って、何も出来ない自分を電マやらバイブやら何やらで、とことんイカせまくってくれる男性」が登場したとしたら、女性はそっちに心惹かれることになる。実際、深志美由紀さんの周囲では、今やそういうタイプの「S」男がモテまくっているんだそうだ。
 この場合の「S」はいわゆる「サービスのS」だなんて言われて、本格的なサドの男性からはえてして軽視されるタイプなんだけど、女性の立場に立ってみれば「あまり痛いことや怖いことをせず、向こうが一方的に私を気持ちよくさせてくれる男性」は、願ってもないセックスパートナーであろう。
 であるから「もっと女にモテたい」と思う男性は、自分がいかに「してあげる」タイプのSであるか、それを誇示してみせるといいだろう。まあ拘束させてもらうには、それなりに女性から信用を得ないとダメだろうから、そっちの努力も必要だ。

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2012年11月16日 (金)

フェラチオが変えた人生

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(イラストレーション by 中村成二)
 最近、若手作家のO君と話していたら、いきなり「ぼくはフェラチオは嫌いです!」とキッパリ言ってのけるので驚いた。
 ぼくは大好きである。神様が「これからは、下の穴に入れてやるか、上の口でやるか、どちらか一つにする。どっちにする?」と究極の選択を迫ってきたら、迷わず「じゃあ上の口でお願いします」と答える。下の穴は舐めたりしゃぶったり吸ったりしてくれない。
 男はみんなフェラチオが好きだと思いこんでいたぼくはびっくりして、その理由をO君に聞くのを忘れてしまった。あんな気持ちいいことを嫌いだなんて、不思議でならない。
 まあ人間いろいろで百パーセント誰もが好きだ嫌いだというモノはない。フェラチオが嫌いな人間がいても不思議はないのだが。
 そこでふいに思い出した。ハードボイルド小説やミステリ小説で人気作家だった生島治郎さんのことだ。
 最初の奥さんは、のちに翻訳家、ミステリ作家として売れっ子になる小泉喜美子さんだったが、結婚生活十三年にして離婚した。
 生島さんはその後、五十歳で吉原のソープ嬢だった女性と再婚し、世間を驚かした。
 そのいきさつは生島さん自身『片翼だけの天使』という作品に書いているのだが、初めてフラリと入ったソープランドで、彼は生まれて初めてフェラチオしてもらったというのだね。
「世の中にこんなすばらしいことがあるのか!」と感激した生島さんは、嬉しさのあまり、
その時相手してくれたソープ嬢に夢中になり、ついにはお嫁さんにしてしまったのである。
 それを読んで、ぼくはずいぶん驚いたものだ。五十歳になるハードボイルド小説家が、それまでフェラチオを体験したことがなかったというのがまず驚きだった。
 ということは、十三年の夫婦生活で、小泉喜美子さんは一度もフェラチオをしてあげなかったわけだ! それも驚きではないか。
 のちに二人をよく知る酒場のママが「あんた本当にしてやらなかったの?」と聞いたら「そうなのよー。してあげれば離婚しないですんだかしら」とくやしがっていた——と聞いた。
 小泉喜美子さんは翻訳家だったから、フェラチオという行為を知らなかったはずはない、と思うのだが、さて真相はどうだっただろうか。お二人とも亡くなったから書けるけれど、いろいろ考えさせられる話ではないか。      

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2012年11月 9日 (金)

石原慎太郎のエロとグロ

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(イラストレーション by 中村成二)
 石原慎太郎氏がいきなり東京都知事を辞任して、国政に復帰することを決断した。石原新党が立ち上がれば、間もなく行われる衆院選では橋下大阪市長らと連携した第三極の勢力が日本の政治に大きな影響力を及ぼすことになるかもしれない。マスコミは氏の動向に注目している。
 テレビの報道番組では、街頭で市民に「石原氏をどう思うか」とアンケートをとっていた。初めて都知事選を制した十三年前からそうなのだが、石原氏の支持層は圧倒的に中高年の女性、いわゆる「おばちゃん」たちだ。「あれぐらいビシッと言いたいことを言ってくれる人がいなきゃーね」と、おばちゃんたちは今なお八十歳を超えた石原氏に大きな期待と愛着を寄せているようだ。
 そういうおばちゃんたちを見てぼくが思ったのは、「彼女たち、石原氏の小説を読んだらどう思うだろうか」という疑問だった。
 石原氏はもともと『太陽の季節』で芥川賞を受賞した純文学作家である。作家から政治家になった例は他に田中康夫氏がいるぐらいで、非常に珍しい。おばちゃんたちもたぶん「元気のいいお坊ちゃんがおチンチンで障子を破った小説を書いたのよねー」というぐらいは知っているかもしれない。しかし、それ以後最近まで、どういう小説を書いているかは知らないはずだ。いや国民の九十九パーセントぐらいは知らないと思う。
 たとえば『完全な遊戯』という小説は、無軌道な若者たちが精神を病んでいる娘を誘拐し監禁し凄絶なレイプを繰り返してのち、ソープに売り飛ばし、使い物にならないと言われると海に投げ込んで殺してしまうという、目を背けたくなる物語だ。
 十年少し前の『聖餐』は、警察関係者の娘を誘拐して失敗した男が、復讐のために娘をまた誘拐し、殺人前科者を雇ってレイプさせ、その後、娘を殺して体を裂きビデオ撮影、最後は男まで殺してしまう。自分のことしか考えない主人公が女性を痛めつけ辱め殺すという、陰惨極まりない話である。SMポルノ作家を自認するぼくでさえ、ちょっとついてゆけないエロとグロが爆発している。もちろん読んで興奮する男性もいるだろう。
 ぼくがSM嫌いでポルノが嫌いならSMポルノを書けないのと同じで、本人にこんな性向がなければこういった小説は書けない。ストーリーはウソでも作品は正直に作者の内面を映し出す。これらの石原氏の作品を読んだあと、おばちゃんたちはどう思うか、一度聞いてみたいものだ。
(↓画像は幻冬舎刊『聖餐』2002)
 
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2012年11月 2日 (金)

無毛の時代がやってくる?

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(イラスト by 中村成二)

 私の友人で、女のわき毛フェチがいる。その彼が嘆いていた。
 理由の一つは、秋になり、みんな長袖になったので、わきの下を覗く楽しみが失せたこと。いまの女性は剃るのが当たり前だが、中には剃るのを怠って数ミリぐらいだがホヤホヤと伸びている女性がいる。そういうのを見るのが、彼のせめての楽しみなのだ。
 嘆きのもう一つは「女性はわき毛が生えない」と思っている若い男性がいたこと。
 その青年は友人がわき毛フェチだと知って驚いたそうだ。「えッ、女もわき毛が生えるんですか!?」
 周囲はもちろん、グラビアや映像で見る女性は誰もわき毛が生えていない。女のわき毛を見ることなく成長した彼は「わき毛が生えるのは男だけ」と思い込んでいたのだ。
「今じゃ思春期になると、母親が注意してわき毛を剃らせるそうだから、見たことがない男の子がいるのも当然だが、しかし味気ない時代になったなあ。おれのおふくろは手入れなんかしたことがないから、いつもフサフサと生えていたぞ」と彼は嘆き悲しむのだった。
 そうか、彼がわき毛フェチなのは、母親のわき毛を見て育ったからか。確かに昭和四十年代初めぐらいのヌードグラビアでは、わき毛が珍しくない、というかふつうだった。
「似たような話を聞いたな」と思ったのは、少女の時から母親がわき毛を剃らせる——という部分。思い出した。いまアメリカでは、母親が思春期の娘たちに下の毛を剃らせているという話を誰かが報告していたのだ。
 私のエロの楽しみはもっぱらインターネットの動画サイト。そこでは世界各国の男女があらゆるセックスの楽しみを動画で撮影し、公開している。すごい時代になったのはいいが、登場する女たちのほとんどが一本残らず反りあげてパイパンになっている。いやまったく味気ないことおびただしい。
 私はヘアーにうるさい時代にエロに目覚めたから、修正されたヌード写真ばかり見ていた。薄いパンティの下に透けて見える黒い三角地帯を見て、想像しては興奮し、それでヘアー大好き人間になってしまった。外国のことは何でも真似する日本娘だから、いつアメリカのようになるか知れたものではない。日本女性よ、頼むから下の毛は剃らないでくれ!
(↓これが私の理想の女体。上も下もしっかりふさふさ)

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