道になりたい男
(イラストレーション by 中村成二)
先日、神戸市東灘区で、道路の側溝に寝そべり、鉄板の蓋の穴から道行く女性のスカートを見上げて下着を覗いていた男性(26歳)が逮捕され、話題になった。
たいていのマスコミは「ド変態」と呼んであざ笑うのがほとんどだった。この男性はそれまで何度となく側溝にもぐり込んでいたらしく、警察にもマークされていたという。確かにそれだけの熱意と努力をもっと有益なことに向けていたら、と思わないでもない。
ぼくが「へえ」と思ったのは、そのあとの報道で、彼が「生まれ変わるなら道になりたい」と言ったと伝えられたのを読んだ時だ。「これは名言だ」と思った。
だいたい、こうやって「ド変態」と呼ばれるようなバカバカしい行為をした男に、どうしてか同情し理解してしまうところがあって、それは公然と言うとまずいからあまり大きな声では言えないんだけれども、今回はちょっと言ってしまおう。
ネットでの反応は、たいていがバカにしてあざ笑うのが大半だけれども「その気持、よく分かる」という声だってかなりあった。
つまり「道を歩く女性のスカートの下を覗きたい」という欲望は、男たちに普遍的なもので、みんな本音を隠して「ド変態」などと言ってるわけだ。もし仮にだよ、神様が「十分ぐらいだけどおまえを道にしてやる。どこの道にして欲しいか」と言われたら、みんな喜んで、それぞれ希望を言うに決まっている。「いえ、道になんかなりたくありません」とキッパリ断るやつのほうがド変態だろう。ぼくなら近くの某有名女子高の校門前の道にしてくれと……。
まあ、あまり言うと問題が生じるから、それ以上は言わないけれど、こういう事件が起きて騒がれることが絶えないというのは、ひとえに女性がスカートを穿いて、ある拍子、ある角度からなら下着が見えるようにしているところにある。
女性がズボンをはけば、覗き問題は一切生じない。そういう規制をしないで、やたら短いスカートにして「見えそうで見えない」状態を維持してるところに原因がある。
いや、誤解されると困るんだが、スカートを禁止しろと言ってるわけではない。そうなったら世の中真っ暗である。
ううう、何が言いたいのか自分でもよく分からなくなってきたが、ホントに男ってどうしようもないヘンな生き物だねえ。たとえスカートの下を覗いても見えるのはパンツ。あの部分は隠されている。それなのにどうして見たがるんだ。うーん分からん。
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