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2013年9月27日 (金)

SM初心者はご注意!

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(イラストレーション by 中村成二)
 先日、ぼくの昔からの知り合いがネット上で「困った」と叫んでいた(まあ、文章でだけど)。なんでも旅先で、片方の手首から先が突然マヒしてしまったらしい。箸もペンも持てなくなったという。
 当人は「脳で何かが起こったのだろうか」と心配していたが、ぼくは思いあたることがあって質問してみた。「手の先は幽霊のようにダランとたれ下がっている?」
 答は「そのとおり」。それで言ってあげた。
「脳の問題ではない。それは橈骨(とうこつ)神経マヒといって、肩から腕にかけての神経が何かの具合で傷んだ時に起きるもの。時間がたてば治るから、そんなに心配する必要はないよ」
 それ以後、知り合いの症状は回復に向かっているようだ。シロウトながらぼくの診断は当たっていたらしい。というのは、周囲で同じ症状を体験した友人知人が何人かいるからだ。彼ら彼女らはSMプレイを愉しんでいるマニアでマゾの人。つまり縛られることが多い人種。
 橈骨神経は手首から先、指などの動きを司る神経なのだが、上腕部の外側を走って肘のほうへ下っている。触っても分かるぐらいのところだ。だから何かの拍子に腕を圧迫すると神経の束が傷んで、手首から先がマヒするという症状が出る。
 SMプレイでは上半身を縛るというのが多い。特に定番の緊縛法では上腕部に縄をかけて締めつける。縛り方がまずく特定の部分がきつく締めつけられると橈骨神経マヒを起こしてしまう。なにせ腕枕を長時間させただけでも発症してしまうぐらい、弱い部分なのだ。
 私の知り合いの場合、どんな状況で発症したのか、聞きにくいので知らないが、両手に発症した場合はSMプレイが原因だと思っていいかもしれない。
 短くて数日、長くても二ヶ月ぐらいで治るものだけれど、その間、手が使えないのだからそうとうな不便を強いられる。最近はマンガや小説や映画でSMモノが若い人に人気だ(たとえば『ナナとカオル』とか)。そういうのに刺激されてSMプレイをやってみようというカップルも少なくないだろう。それ自体はいいんだけど、縛る者が相手の腕を縛るときは、きつくなりすぎないよう、充分に気をつけてほしい。慣れないうちに吊りなんてものをやったりしたら事故になりやすい。縛り手は経験者に相談し勉強してから挑戦してほしい。傷つけたら二人の仲はそれで終わりだよ。

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2013年9月23日 (月)

無毛ヌードの時代


(イラストレーション by 中村成二)
 しみじみ「時代は変わった」と思った。ずいぶん昔からため込んできた雑誌の切り抜きを整理処分していた時のことだ。
 作家という商売柄、新聞雑誌の記事やグラビアを資料として保存しているが、それとは別に大事に保存していたのが雑誌のヌードグラビア。その時々にオナニー用、つまりズリネタとして気にいったものを捨てないでいたものが、古いのは学生時代のものから溜まって、山のようになっていたのだ。ほとんどはヘアヌードである。
 もう最近の若い人は知らないかもしれないが、以前はヘアヌードというのは、めったに拝めない貴重なものだった。
 世界的には1971年、アメリカの『ペントハウス』誌が初めてモロのヘアヌードを掲載してからヘアー解禁が始まった。しかし日本でヘアヌードが解禁になったのは1991年。それ以前、国内のものは修正され、外国のものは無粋なマジックインキで塗り潰されていた。だからネット以前、ヘアーが写っているヌードグラビアというのはほとんどなく、チラとでも黒いものが見える写真をみんな夢中で探したものだ。
 ところがインターネットというものが出来てから、それらのグラビアは文字どおり「紙くず」になってしまった。いま、ヘアーどころか女性器の割れ目がモロに写っている画像は、国内国外のサイトにイヤというほど存在する。昔のようにこっそり集めて切り抜いて保管するなんてまったく必要がなくなった。
 セックスに関するどんな画像も映像も、ネットに接続して検索すればすぐに手に入る時代、昔、それを見てオナニーに夢中になった世代の私が切り抜きを捨てながらしみじみ感慨にふけるのは、そういう理由からだ。
 しかし「時代は変わった」と思うのはそれだけではない。ヘアヌード全盛の時期のヌードは、文字どおり股間のヘアーがふさふさモワモワとしていた。1980年代までは、腋毛だって珍しくなかった。私はあの逆三角形の繁茂を見たり触ったりするのが大好きなので、そういうヌードをいっぱい集めていた。
 しかし最近、ネットで見られる外国女性のヌードはほとんど無毛である。割れ目がモロに見えるものばっかり。いまや「無毛ヌード」の時代になってしまったのだ。日本でも脱毛産業が繁盛している。やがて黒々としたヘアヌードなど「汚らわしい」とかえり見られなくなるに違いない。エロの感性も時代でこんなに変わってしまうとは……。
(↓写真は、日本初のヘアヌード、篠山紀信が樋口可南子を激写した写真集『ウォーターフルーツ』)
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2013年9月14日 (土)

薄幸美少女に萌えた文豪

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(イラストレーション by 中村成二)


 藤圭子さんの訃報は、彼女の全盛期を知っているぼくらの世代をおおいに驚かせ、悲しませた。
 彼女に関していろいろな報道がなされたけれど、ちょっと目をひいたのが、週刊誌『サンデー毎日』に連載している牧太郎さんのコラム。牧さんは毎日新聞記者時代、1996年に、藤圭子さんを取材したことがある。その時の会話をコラムではこう書いている。
《行きつけの新宿のバーに移った。今度は「川端康成さんをどう思う?」と唐突に聞いてきた。(中略)川端は滞在先のホテルオークラに藤を招いていた。当時の女性週刊誌は「持参した全集にサインをもらい。川端の鎌倉の自宅に訪問を約束した」と報じたが……彼女はむしろ「悪い印象」を持ち合わせていた。当時はセクハラという言葉はなかったが、そんな思いをうけた、と言った。》
 彼女が川端康成を訪問したのは1971年の7月であった。藤圭子は川端の自宅を訪問することなく、翌年の4月に、川端は逗子のマンションでガス管を口にくわえて自殺した。
《彼女は「先生の自殺と私は関係があるような気がする」とつぶやいた。》
 この記事が出るやいなや、川端文学を研究している人たちがいろんな意見をネット上で発信したが、おおかたは「やっぱり」というようなもので、否定する意見は皆無だった。つまり、それだけ川端康成は「そういう人だ」と思われていたのだね。
『伊豆の踊子』でも分かるように、川端はかねてから「美少女を偏愛する」作家として知られていた。彼の死後、自殺の原因を、お手伝いとして川端家に来ていた少女に一方的に恋いこがれて、失恋したからだ」として『事故のてんまつ』という小説に書いたのが臼井吉見氏。これは遺族が裁判沙汰にして本は絶版にされたが、当時から川端康成がそういう趣味の持ち主だったということは、関係者はみんな知っていたのだ。対象は特に、薄幸そうに見える少女だったらしい。
 いるんだね、私の身近にも「不幸せそうだなーと思う少女を見ると、めちゃくちゃ萌える」という男性が複数いる。川端もそういう性癖で、当時の藤圭子のイメージは彼の求めるイメージとぴったりだったはずだ、
 はたしてホテルの一室で川端は藤圭子にどのような行為を要求したか、それを知る牧氏はハッキリ言わないが、私はかなり川端がマゾ的なことを求めたのだろうと推測している。ぼくはちょっと川端に同情するんだけれど、真相ははたしてどうだったのだろうか。

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2013年9月 7日 (土)

おさわりが愛を生む

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(イラストレーション by 中村成二)

 この前から書いているが、人間の脳の中では麻薬に似た物質が作られ、痛みを鎮めたり快感を覚えさせたりしている。つまり「脳内麻薬」だ。
 それ以外にも、人間を気持ちよくさせる物質(ホルモン)も作られている。仕事をやり遂げた時、山登りで頂上に到達した時、好きだった女性をモノにした時、競馬で馬券を的中させた時、思わず「やったぜ!」と叫びたくなる場合、それはドーパミンという脳内ホルモンがバーツと分泌されたからだ。当然いい気分になる。だから「少しぐらい苦しくても、あの気分をもう一度、味わいたい」という気持にさせる。
 人が何かに病みつきになり、抜けだせなくなるのはドーパミンのせいで、このホルモンを分泌するA10(テン)神経は「報酬系」とか「快楽系」の神経と呼ばれる。
 最近いろいろ注目されているのは、また別の脳内ホルモンでオキシトシンというもの。
 これは女性の授乳を促し母性愛のもとになると考えられ「母性ホルモン」などと言われてきたが、女性ばかりではなく男性も分泌して感情がコントロールされていることが分かってきた。
 オキシトシンは、脳のなかでは「愛情や信頼関係を生み出す」作用があるとされている。「あの人は好ましいタイプだな〜。一緒にいたいな」「あー、一緒にいると気分が落ち着くな〜」などという感情を、男女双方にもたらす。そうなるとセックスするにもスムーズだ。だから「愛情ホルモン」「性愛ホルモン」などと呼ばれる。若い恋人、新婚夫婦などの脳では、このオキシトシンが出まくっていると考えられる。
 夫婦やカップルがセックスレスになるというのは、このオキシトシンが不足するからだ。男女の間にすきま風が吹くのは、実は脳内ホルモンのせいだったのだ。
 冷めてきた情熱を再びかき立たせるのは、オキシトシンが出やすいようにすればいい。なに難しいことではない。肌と肌を触れ合わせ、優しく抱きしめ、撫であえばいいのだ。手をつないで歩くだけでもオキシトシンは作られるという。髪や首筋や乳房や下腹、腿などを触られ撫でられて気持ちよくならない女性はいない。男だってそうだ。
 だから「ここのところセックスもしてないし、気持もしっくり噛み合わないな」と思っているカップルは、手をつないだり、軽く相手の体をタッチする、抱きしめるなど、触れあように務めることだ。情熱が甦ってくること間違いなし。信じなさい。

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