2014年8月31日 (日)
2014年8月24日 (日)
ゆかたのエロティシズム
花火大会、盆踊り、縁日……。浴衣を着た女の子たちがさわやかな匂いをふりまきながら、笑いさざめいて下駄を鳴らしつつ歩いてゆくのを見ると、猛暑の夏もそんなに悪くないという気になる。
これは前にも書いたのだけれど、日本の男は浴衣を着た女の子を見ると、不思議にエロな気分になる。なるはずだ。肌の露出度からいえば洋服の、たとえばノースリーブのワンピースとかキャミソールに短パンのほうが強烈なのに、あまり肌を見せない浴衣が、どうして強くエロを感じさせるのだろうか。
その理由の一つとしてぼくが挙げるのは、「足さばきのぎこちなさ」である。
和服全体がそうだが、浴衣をキチンと着ると足を大胆に動かせない。裾の制限範囲内で、「ちょこまか」という感じに小股に歩く。しかも外を歩く場合は下駄である。いまの女の子は履き慣れていないから、自然、足さばきがぎこちなくなる。
このぎこちなさが、ふだんは靴を履いて大股で闊歩している女性たちに非日常のエロティシズムを与えて輝かせるんである。ウソじゃない。信じなさい。いや、下駄はいて歩いている女の子を実際に観察してみると、実感として分かると思う。
そもそも浴衣は大昔、混浴時に肌を隠すために着た「湯帷子(ゆかたびら)」からきている。その後、湯上がりの肌じめりをとるための日本式バスローブとなり、着るのに簡単な部屋着、寝巻として愛用されるようになった。つまり本質は下着なわけで、基本、浴衣の下には下着を着けず、素肌に着るものである。それがまた、エロティックな雰囲気というか匂いを醸し出す要素になっているんだろうね。ちなみに今でも、浴衣で公式の席に出るのはマナー違反とされることが多い。
だいいち、生地が薄く裏地もないものだから、密着した場合に体の線(特にヒップのあたり)が洋服よりもきわどく浮き上がる。白地の浴衣だと色物のパンティが透けてみえて、そういうところもエロな衣装なんだよね。
ぼくがこれまで見て一番エロだった女性の浴衣姿は、松阪慶子である。一九九〇年ごろ、結婚しているとか同棲しているとかで、写真週刊誌が望遠レンズで隠し撮りに成功したショット。朝、寝起きの松阪慶子がマンションのベランダで寝具を干しているのだが、着ているのがパジャマでもネグリジェでもなく、寝乱れてくずれた浴衣。強烈な成熟女性のエロが爆発して、ぼくは完全にノックアウトされてしまったよ!
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