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2014年8月18日 (月)

笑えないエロの笑い話

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(イラストレーション by 中村成二)

 ぼくは見たことがないのだけれど、アメリカで放送されている『チーターズ』という人気番組が、ときどき日本でも放映される。
 チーターズとは、浮気者たちという意味。日本では『浮気調査団チーターズ』としている。内容は、夫や妻の浮気を疑う片方の依頼を受けて、番組が尾行調査で現場を見つけ、そこに依頼者を呼び、カメラと一緒に突入する、というむちゃくちゃ乱暴なドキュメント。おおかたはベッドに一緒にいる裸の不倫カップルがバッチリとカメラに写ってしまう。そこへ夫なり妻なりが飛び込むわけだから、大騒ぎ。裸で逃げまどったり、逆襲して取っ組み合いの修羅場になったりする。警察もやってくる。
 それをカメラが一部始終撮影し、放送するのだから、バレた側にとってはとんでもなく残酷な仕打ちだ。しかし「人の不幸は鴨の味」という。視聴者は面白がって見る。視聴率はどんどん上がる。今では番組を録画したDVDが売られるまでになっている。
 この前、日本で紹介された番組の中にはこういうケースがあったそうだ。
 夫の浮気を疑った妻の求めで、スタッフが尾行すると、夫は背の高い女と一緒にホテルに入った。そこで妻を呼び、カメラと共に突入! そこで見たものは、裸で全頭マスクをかぶった夫が、ボンデージルックの背の高い女に鞭打たれている姿だった。もちろん妻は激怒して夫をなじる。
 すると夫は「これは浮気ではない」と弁解する。何を今さらと思ったところで意外な事実が判明。サドの女性と思った相手は、実は女装の男性だったのだ!
 夫は「本当は君とこういうことをしたかったのだ。これから三人で一緒にやらないか」と頼む。妻は拒否、怒りながら立ち去る。
 この騒動を見て、ゲストに呼ばれた芸能人たちは腹を抱えて大笑い。秘密をバラされた男女を嘲り罵るのだ。
 実はこれを教えてくれたのは、SM専門のSNSにいる友達。もちろんぼくもそのSNSのメンバーだ。ということは、彼もぼくも秘密の趣味を抱えて、番組の中で写されて、嘲笑を受ける側にいる。
「いたたまれないですね」と彼はいい、ぼくや他の仲間も「切ないなあ」「たまりませんね」と悲嘆にくれたのである。
 大勢の人たちが嘲笑する時、その陰でひっそりと「切ないなあ」と悲しく呟く人がいるのだ。バラエティ番組を作る連中は、妻や夫に言えない嗜癖を秘めている人をいくらでも笑い者にしてもいいと思っているのだろうか。ぼくは全然笑えないよ。

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