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2014年10月25日 (土)

白人女はダメですか

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 (イラストレーション by 中村成二)
「そうか、まったく時代が変わってしまったんだなあ」とつくづく思わされたのが、このところネット上で交わされている「日本人は白人の女が嫌いか?」という議論。
 日本語や日本文化を学ぶために日本で暮らしている白人女性というのは、かなりいる。たいていは英会話スクールの講師などをしているのだが、独身の彼女たちはなぜか「日本の男性にもてない」というのだ。
「白人男性なら、それほどイケてなくても日本の女性が群がる。一方、白人の女性は美人でかわいくても、デートに誘われることはないし、愛を告白されることもない。この落差って、いったいどういうこと?」という在日白人女性の嘆きをめぐって、いろいろ話し合われているのだが、確かに興味深い事態ではある。
 ぼくはかつて、海外では有名な男性娯楽誌の日本版を作る仕事に携わっていたことがある。ちょうどシルビア・クリステルの『エマニエル夫人』が一世を風靡していた頃だ。
 戦後からずっと、日本人は白人の女性に憧れ、崇拝してきた。もちろんセックス(オナニー)の対象としても珍重された。エロ業界では「洋ピン」と言われる、つまり「西洋のピンク(エロ)映画、雑誌、小説」は、日本の男たちを夢中にさせてきた。ぼくが編集にかかわった雑誌も白人ヌードがすごい人気で、ずいぶん売れたものだ。
 どれぐらい「白人女性崇拝」が強かったかというと、当時隆盛を極めていたストリップの興行では「金髪ヌードショー」が欠かせなかったことでも分かる。まあホンモノの白人ならどんなデブでブスでも客を集められた。それでも不足なので体格のいい色白の日本人ストリッパーに金髪のカツラをかぶせ、下の毛も金髪に染めて舞台で踊らせたところが多かった。そういうニセ白人でも客は喜んで見ていたのである。
 今はどうだろうか。映画でも雑誌でも洋ピンものはほとんど全滅であろう。日本人の男たちは白人女性に対する興味や情熱を失ったように見える。エロの鎖国状態だ。これは最近叫ばれる「日本男子の草食化」と連動しているに違いない。つまり白人の女性は日本女子以上に肉食的で、とても太刀打ちできない存在と思われてしまった結果だ。私のような洋ピンマニアには実に困ったことであるし、嘆かわしい事態なのだが、それに対処する方法はまったく思いつかない。

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2014年10月18日 (土)

性教育はむずかしい

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(イラストレーション by 中村成二)
「日本の裁判所も捨てたものではない」と思わせたのが、先日に判決が出された『七生(ななお)擁護学校事件』。
 発端は1997年。日野市にある知的障害児のための七生擁護学校で男子生徒と女子生徒が性的関係をもったことが分かり、教員と保護者たちが共同で、独自の性教育プログラムを考え、性の仕組みを生徒たちに教えていた。
 人体模型や具体的な図版を用いて、知的障害児童にも分かりやすくした性教育のありかたに対して、まず都議会の議員三人が「常識では考えられない」「不適切」「感覚がまひしている」と罵倒に近い非難を浴びせながら問題にした。当時の石原慎太郎都知事も「異常な信念を持って、異常な指示をする先生というのは、どこかで大きな勘違いをしている」と答弁、擁護学校の教員たちはまるで変態扱いされて厳重な処分を受けた。
 ヒラに降格された校長と教員らは、東京都の教育委員会と三人の都議に対する精神的苦痛の損害賠償を求め、裁判に訴えた。一審二審そして最高裁も教員らの訴えを認め、控訴した都教委、都議側が最高裁でも敗訴し、元校長や教員らの名誉は回復された。最高裁は特に、理不尽な処分をくだした都教委に対し「干渉しすぎだ」と叱責を加えている。
 この事件をふり返って驚くのは、世の中に性教育ということに異常な拒否反応を示す非常識なオトナ(石原慎太郎を含め)が多いということだ。彼らは子供がセックスについて知識を得ることを極端なまで恐れる。実際、戦後もしばらくの間、性教育というのはロクになされず、おかげで「キスしたから妊娠する」と怯える女子や、避妊のことを知らずに相手を妊娠させてしまう男子があとを立たなかった。そういう悲劇を生まないためにも正しい性教育は必要なのだが(それが少子化に歯止めをかけるひとつの方法でもある)、全国的にまだ、理想の性教育はなされていないというのが実態だろう。
 なぜかというと、セックスというのは、ともかく社会から隠されたところで行われる行為だからだ。もし子供にセックスのことを質問されて「パパとママがやってみせるから見ててごらん」という両親はいない。どんな民族でも他人の前で平然とセックスしない。これはセックスの時、男女ともに無防備な状態になることの恐怖と警戒心が遺伝的に刷りこまれているせいだと思うが、このことが性教育を本当に難しいものにしているのだ。この問題はもっと考えてみよう。

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2014年10月12日 (日)

兄が多いとゲイになる?

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(イラストレーション by 中村成二)
 ちょっと気にかかることを読んだ。
「上に男の兄弟が多いほど、つまり兄の数が多いほど、男はホモセクシャルになる可能性が高まるということが最近わかったのです」
 出典は竹内久美子『遺伝子が解く! 女の唇の秘密』(文春文庫)だ。
 これまでも兄弟姉妹間の下位にある男子にホモセクシャルが多いことは分かっていたが、それがなぜかという理由をトロント大のR・リチャードソンらが明らかにしたそうだ。
 それによれば、母親はYとYの性染色体をもっており、妊娠した胎児が男の場合、XとYの遺伝子を体内にもつことになる。出産時にこの血液が混入することによって、母親はXの染色体に免疫抗体をもってしまう。長男は問題がないが次男、三男と順位がさがるにつれ、胎内で母親から免疫的に攻撃される結果、彼らは生物学的シンメトリーが損なわれてゆく、つまり生き物としての正しい構造が少しづつ壊れてゆくわけだ(女児の場合は問題がない)。その結果、下位の弟であればあるほどホモ(ゲイ)が発生しやすい——というのだ。これは統計的に証明されたんだそうだ。実にハッキリと有意な差がつく。
 ぼくは三男である。兄が二人いる。だからら長男次男よりシンメトリーが壊れていて、ゲイになりやすい素質をもって生まれてきたことになる。
 うーん、本当かね。ぼくは少なくともゲイではないと思っている。どんな美少年であれ、それだけでは性的に惹かれることはない。まったくない。なーい(強調しておく)。
 ところが一旦、美少年美青年が女装すると、やにわに性的な関心が生じるのである。こういう男性をトラニー・チェイサーという。ゲイではないけれど、女装者にだけ関心を抱く男。「それはもうゲイの一種だろう」と言われそうだが、ぼくとしては強く否定したい。「女装子さんはペニスがついた女の子である」と思うから「女性の一種を愛しているんだから、これはヘテロである」という理屈をとおしたい。
 しかしどうなんだろうね。ぼくは三男であるだけに、生物学的シンメトリーが歪んでいる、と言われると、不承不承、納得するところはあるような気がしないでもない。まず長男次男よりも出来が悪い。歴然と悪い。兄たちがまっとうな人生を歩んでいるのに、ぼくは脱線ばかり。あげくは人には言えないエロ作家になってしまった。この学説、かなり正しいような気が……。

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2014年10月 5日 (日)

「入れたくない」童貞が増えた

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(イラストレーション by 中村成二)

 去年のデータだが、全国一万人余りを調査した結果、二十代男性の童貞率が40パーセントを超えたと報じられた。二十代の五人に二人が女性とセックスしたことがないというのだ。その前の調査では36パーセントだったから童貞率はどんどん増えている。
 おじさんたちが若い頃は、今より男女の交際は厳しくて、ガールフレンドを作る機会は少なく、ラブホテルだって少なかった。
 今はセックスの情報はあり余るほど流れ、セックス産業は比べものにならないほど隆盛している。その頃よりもセックスが簡単に出来そうな気がするんだけど、どうしてこんなに童貞クンが増えてしまったんだろう?
 興味深いのは、風俗嬢に取材して得られた証言に「若い男の客に『挿入しなくてもいい』という子が多い」というのが多いことだ。ソープであっても「入れなくていいから」と、手や口のサービスで満足してしまう男の子が珍しくないんだそうだ。
 さらに「子供が出来ない」と訴えてくる若い夫婦のなかに「膣のなかで射精が出来ない」というインポテンツが増えているという証言ももある。
 つまり「セックスしなくてもいい」「しても膣のなかで射精できない」という男子が増えているのだ。これでは少子化は進むばかりだ。国は根本的に、どこに問題があるかを考えなきゃいけないよ。
 男と生まれたからには、セックスをしたがるのが当たり前で、セックスをしたら中で出せるのが当たり前で、その結果、子供が出来るのが当たり前——という常識は、どうも通用しなくなってきていると思うべきだろう。今の男の子は「女の子とセックスすると面倒なことになりそうだ。中で出して子供が出来たら、もっと面倒なことになりそうだ。だったらセックスしなくてもオナニーだけでいいや」と思ってるのではないだろうか。
 冗談ではなく、これはオナニーグッズが余りにも良く出来すぎてるせいじゃないか、って気さえしてくるよ。政府は本気になって、男たちの性欲を高め、性交欲を高め、ガールフレンドや恋人が作りやすい感興を整え、中出しが平気なたくましいペニスの発育をめざすべきだ。つまりは性教育を知識だけではなく、実践を重視する方向で充実させなければいけない。そのためには、風俗やポルノの世界からの知恵も集めなければダメだと思う。きれいごとで性を語っているうちに日本は滅びてしまうぞ。

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