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2014年11月23日 (日)

仮性包茎の悩み解決法

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(イラストレーション by 中村成二)
知りあいの女流官能作家、『もっとセックスがしたいあなたに』という著書もある大泉りかさんが、アダルト情報サイトのセックス相談で、仮性包茎の男性の悩みにこう答えていた。
「正直、この手の悩みを相談されるのは、初めてではありません。いつもは「女性は仮性包茎なんて気にしてないです、日本人の三人に二人はそうです。だから、見慣れているし何も恥ずかしいことではありません」と答えているのですが、もういい加減に飽きたので、ちょっと違った方向性の回答を探ってみようと思います」
——言うまでもなく仮性包茎というのは、勃起すると包皮が剥けてセックスに問題がないという状態、本来は亀頭粘膜を保護しているのだから、包皮があって当然。実際、成人男性では仮性包茎が圧倒的多数派なんである。そもそも欧米の医学用語には「仮性包茎」という語が無い。つまりこっちのほうが正常なのだ。しかし、どうしても包皮コンプレックスにとらわれている男性に、大泉りかさんはこう奨めるのだ。そこで大泉りかさんは言う。
「包皮を弄ぶことが好きな女性もいます。いわゆる『皮遊び』というもので、皮を伸ばしたり、中に舌を差し込んだり、皮と陰茎の間にジュースを流し込んでそれをストローで吸ったり、空気を吹き込んでぷくっと膨らませたりと様々なバリエーションで遊ぶことができます。……まずは手始めに、M性感にいって『皮遊び』をリクエストしてみましょう。オチンチンの皮で嬉々として遊んでいる女性の姿をみれば「ああ、皮があってよかった」と思うことができるかもしれません」 
 いや驚いた。そんな遊びがあるとは知らなかった。まあ仮性包茎にコンプレックスがあると知ってるから、たいていの女性は遠慮しているのかもしれない。
 本紙でもおなじみ「カイチュウ博士」こと藤田紘一郎先生と一度、包皮のことを話した時「あれは『遊び皮』といって、セックスの時に男も女も楽しめるように存在するんですよ」と教えられたことがある。実際、私の聞いた範囲では「パートナーが仮性包茎だからいやだ」と言った女性はいない。「ひたすらピストンするだけのズル剥け男性よりずっと具合がいい』とまで言う子もいた。藤田博士の言うことは本当だったのだ。
 少しMっ気がある男は、大泉りかさんのアドバイスに従って「皮遊び」をしてもらおう。人生が変わると思うよ!

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壊れゆく日本人の「官能」

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(イラストレーション by 中村成二)
 テレビの報道で知ったのだが、今の子供たちは、味覚がおかしくなっているらしい。
 日本医科歯科大が埼玉県の子供たち349人を対象に「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」をが識別できるかを調べたところ、31パーセントの子供たちが、何らかの味を識別できなかったという。つまり甘いものを食べても甘いと分からないのだ。
 ぼくもかつて舌に異常を感じて、専門医を訪ねたことがある。その時、この子供たちと同じような味覚検査をされた。専門的には「官能検査」という。
 官能とはつまり、視覚、触覚、嗅覚、聴覚、味覚の五つの感覚器官の働き、能力をいう。本来、エッチな意味は無い。ただセックスというものは五官のいずれかを刺激して性欲を刺激するものだから、そういう状態を「官能的」と称したことで、本来の意味を離れて「欲望を刺激するもの」という意味になってしまった。
 まあしかし、これらの五官が正常に機能することで、性欲が高まり、エッチしたくなるから、男女は仲良くなり、セックスが愉しめ、その結果、子供が生まれてくるわけだ。
 いま少子化が叫ばれているのは、日本人の官能がおかしくなっているからではないか、という気がする。その一つが子供たちの味覚異常だが、もっと大々的に調査すれば、若い年代でも舌の官能が壊れているような気がする。そしてたぶん、嗅覚もそうではないだろうか。
 話は変わるが、ぼくはある官能系の文芸作品に賞を与える選考委員を何年もやっていて、エッチな体験を綴った応募作品を毎年、何十作と読まされる。それで気がついたのは、セックスの描写について、味覚とともに嗅覚の描写が少ないということだ。つまりセックスの時の匂いが描かれない。自分では性のベテランだと豪語する人たちで「匂い」に関心を示す者が少ないのは、つまり嗅覚が壊れているからのような気がする。
 人も動物の仲間だから、本来、性欲は匂いで刺激される。異性の体から発散されるフェロモンを嗅いで興奮する、そのように出来ている。ところが、応募作品を読んでいて、匂いで興奮する描写がめったにないことから、ぼくは「こりゃまずいな。日本人壊れてる」と思っていたところだ。キスすれば唾液の味もするし汗も愛液も味がある。それを誰も描写しない。ただ視覚と聴覚だけでセックスしている。それはホンモノのセックスではない。官能の壊れた日本人に未来はあるのか心配だ。

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2014年11月 8日 (土)

SMは汚らわしいか

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(イラストレーション by 中村成二)

「口にするのも汚らわしい所」と国会で発言したのは、民主党の菊田真紀子衆院議員だった。もちろん、宮沢洋一経済産業大臣の会計報告書に広島のSMバーで飲食したという記録が見つかった「事件」の、そのお店についてのことである。 「税金でSMバーに行った」と報道されたこともあるが、税金ではないようだ。しかし政治家の活動に使う公費であることに違いはない。それを性的な愉しみ、しかも「変態的なことをする性風俗の店で使ったのは許せない」という非難の嵐は、報道されてからはごうごうと吹きまくっている。  厳密にいえばSMバーはSMクラブのような性風俗店ではない。時おり軽いSMプレイが行われるが、基本はふつうの飲食店だ。もちろん何の違法性もない。  まあ、そういうお店で政治的な話をするわけがないのだから、そんな店の領収書を提出した事務所は何を考えていたんだろうか。ぼくのようにSMを趣味として愉しんでいる人間にとっては、えらい迷惑なことをしてくれたもんだと、文句を言いたくなる。  八月にこの欄で、アメリカの浮気暴露番組『チーターズ』のことに触れてぼくはこう書いた。「大勢の人たちが嘲笑する時、その陰でひっそりと「切ないなあ」と悲しく呟く人がいるのだ。バラエティ番組を作る連中は、妻や夫に言えない嗜癖を秘めている人をいくらでも笑い者にしてもいいと思っているのだろうか。ぼくは全然笑えないよ」と。今回はS「バラエティ番組」を「マスコミ」と入れ替えれば、そっくり同じ気持だ。SMを趣味としている人たちはみな同じような思いを抱いている。「銀座の高級クラブや一流料亭で何十万円と使うのはよくて、SMバーで4万円使うのはよくないのか」と怒るマニアもいる。「見るのも汚らわしい人間」として差別されるわけだからね、そりゃ嘆き、怒るのも当然だ。   しかし、SMを非難し笑いものにする人間は、それほど高潔でご清潔な心情の持ち主なんだろうか。SMの業界にいれば、政治家や財界人のなかにSMを趣味としている人間は少なくないと誰でも知っている。いや、社会全体に、ごくふつうにいるのだ。非難し笑いものにしている人間のなかにはSMよりもっと人に言えない、知られたくない趣味の持ち主だっているに違いない。  公費を使ったのはまずかったが、SMバーに罪はない。ううむ、明るく笑いとばしたかったが、難しいね、こういう問題は。

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2014年11月 2日 (日)

ストリップの灯を消すな

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(イラストレーション by 中村成二)
 先週のこの欄『白人女は嫌いですか』を書いた時、金髪ヌードショーに触れた。それで、人気絶頂の頃のストリップ劇場の活気を思い出して、懐かしかったのだけれど、突然「浅草ロック座が破産した」というニュースが飛び込んできて驚かされた。
 浅草のロック座といえば老舗だ。晩年に浅草に通い詰めた永井荷風はストリップ劇場が好きで、楽屋でストリッパーと談笑するのを好んだ。裸のストリッパーに囲まれて笑っている有名な写真はロック座で撮られたものだ。ぼくも大学生として上京してからは何度も通った。ナマの女体を目の前に見られるのだから天国のような気がしたね。
 その頃の浅草には東洋劇場とかフランス座とかストリップ劇場が軒を並べ、どこに入ろうかと迷うぐらいだった。今はほとんどが消えてしまい、ロック座が唯一、浅草ストリップの灯を守っていたのに、倒産と聞いて愕然としてしまったよ。
 幸い、運営会社が替わり、興行は続けられるという。ホッと安心すると共に「どうしてストリップはこんなに衰退したのかなあ」と嘆きたい気分になった。
 ストリップ劇場というのは、どうしても「いかがわしい」というイメージがあるが、浅草ロック座はレビュー性が強く、本来のストリップショーの楽しさ、華やかさが横溢して、世界に誇れるような劇場だった。そのぶんお金もかかって、それが赤字を増やす原因だったろうが、そういう贅沢なエロティシズムを愉しもうという客が少なくなったということだろうか。それがどうも残念でならない。
 ぼくは場末の、どこか侘びしいストリップ劇場の雰囲気も嫌いではないが、パリの『クレージーホース』(観光の名所だ)や、かつてての『日劇ミュージックホール』のような、きらびやかな舞台が一つはあってもいいと思っている。そういうゴージャスなストリップ劇場として浅草ロック座は生きのびてほしいと切に願うものである。
 そこでふと思ったのだが、AKB48のようなアイドルグループの人気がありすぎて、本来はストリップのファンになるはずの若い男たちが、そっちに奪われてしまったのではないだろうか。そんな気がしてならない。だって一時期のストリップは人気ストリッパーの親衛隊が押しかけて、それはもう大変な活気だったもの。
「ストリップとアイドルグループを一緒にするな」と叱られそうだけれど、どうもこの二つは関連がありそうだ。誰かストリップの衰退とアイドルグループの隆盛の関連を分析してくれないものか。

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