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2015年6月27日 (土)

エロ雑誌が消える?

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(イラストレーション by 中村成二)
「エロ雑誌はもうダメだなあ。こりゃ商売替えを考えなきゃ」と古い友人が嘆いている。彼は長いことアダルト雑誌で記事を書いてきたフリーライターだ。
 最近はそういう雑誌がどんどん減ってきたので、収入を確保するのに苦労している。そこへきて、新しい難題がふりかかってきた。2017年4月から実施される消費税10パーセントの値上げである。
 一律10パーセントにすると国民への影響が大きいということで、政府は「コンビニで売られているような生活必需品は8パーセントに据え置く」という方針を定めている。
 新聞や雑誌なども8パーセントに据え置かれるようだが、この時「エロ雑誌エロ本などは生活必需品とは認められないので10パーセントにする」と言われている。そうなるとコンビニや書店ではエロに関する商品だけ別計算ということになり「そんな面倒な商品は取り扱いをやめよう」という動きが強まってきた。
 さあ大変だ。ただでさえ売りにくくなってきたエロ雑誌エロ本を売ってくれる場所が無くなれば、出版社はやってゆけない。つまり2017年4月には、店頭からエロ雑誌エロ本が消え去ることになる。
「ネットで売ればいいじゃないか」と言われるが、ネットを駆使するような層は紙に印刷されたものは買わないから、そっちで生き延びる道はない。エロライターを任じる友人が頭を抱えるのも無理はない。いや、SMポルノを中心に小説を書いているぼくも、雑誌や本の世界から閉め出されてしまうことになる。他人事ではないんである。
 一般週刊誌でも、グラビアヌードなどの規制が強まっている。小説も官能的な描写が睨まれはじめた。どうも四年後のオリンピックに向けて、社会からエロを追放しようという動きがジワジワと強まっているんだね。
 この消費税とオリンピック対策のダブルパンチはネットの世界にも及んで、性的な表現に対する規制がいたるところで見られる。ぼくもブログを置いているFC2というウエブサービスが、過激な投稿動画を放置していたとして経営陣が逮捕された。もっぱら情報交換に用いているSNSのフェイスブックでも、画像で乳首が見えたら即削除という厳しさ。社会がどんどん息苦しくなってる。まあエロというのは規制されればされるほど強く求められるものなので、ぼくはそれほど悲観はしていないのだけれども……。

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2015年6月14日 (日)

女を排除する男たち

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(イラストレーション by 中村成二)

 渋谷区が同性のカップルを「事実上の結婚」と認めた、いわゆる「同性婚条例」は今後、国内にどう広まってゆくのか、注目されている。ぼくはゲイではないけれど、同性婚には賛成だ。しかし気になるのは、反対する男性たちの運動である。街では「同性婚を許すな」と叫ぶデモの声がやかましい。
「同性婚はゲイやレズの人たちだけに関係があり、そうでない人には何の影響もないのに、どうしてあんなにヒステリックに騒ぐのかなあ」と思っていたら、ぼくよりこういう運動に詳しい知人が「結局は。日本の社会がホモソーシャルなグループによって成立しているからなんだ」と説明してくれた。
 ホモソーシャルというのは、男性同士が強い絆で結びついて、女性を排除して活動する集団のことだそうだ。一番分かりやすいのが体育会系の部活動やヤクザ社会だが、日本の社会、そう言われてみるといたるところに「男たちだけがつるむ」姿が見受けられる。
 よく夏目漱石を囲む門下生や信奉者たちのグループが例にあげられる。現在なら椎名誠氏を中心とするグループがそうだろうか。決してゲイではなく、個々人はノーマルなんだけれども、一体となって活動する時は女性を排除するのが特徴。女性の役割は、それこそ酒食の用意、お酌ぐらいだ。そう言われればそういった集団、どこにでもあるでしょ。
 知人によれば日本の家父長制というのは、こういったホモソーシャルを基盤としており、彼らはホモフォビア(同性愛嫌い)とミソジニー(女性嫌い)という傾向が強いらしい。
「ゲイが嫌い」なのに「女が嫌い」とはどういうことか、分かりにくいのだが、「女々しいことが嫌いで、男の論理に従わない女を扱うのが面倒くさい」ということらしい。過剰に男らしさを競い、女はセックスの相手だけすればいい——という男性優位主義な考えかたがホモソーシャルを成り立たせている。
「彼らはゲイという存在が理解できないんだね。女も理解してないからゲイはとても受け入れられない。だから同性婚に反対するんだ。認めたら自分たちの居心地のいい社会が壊れると思ってるんだろう」
 調べてみると、ホモソーシャルに参加する男性はどうも女性に対する思いやりが欠けている気がする。つまり昔ながらの「ゴタゴタいわずオレについてこい」という考えかたね。そして、そういう男に惹かれる女というのがまた多いらしい。同性婚の普及は前途多難だなあ。

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2015年6月 7日 (日)

緊縛美女ゴルゴンヌ

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(イラストレーション by 中村成二)
 前回『緊縛ジャポニズム』で書いたように、いま日本の緊縛が「シバリアート」として世界中で注目されている。これは3年ほど前から盛り上がってきたブームなのだけれど、ぼくが「こりゃホンモノだ」と思ったのは、ゴルゴンヌさんの登場を見てからだ。
 ゴルゴンヌさんはフランス女性である。二十代か三十代。髪は黒く、白いなめらかな肌の持ち主である。成熟した肉体は均整がとれていて、ふくよかではあるが、体操選手のように柔軟だ。
 うーむ、なんと言ったらいいか、いわゆる「ガイジン」のモデルさんという感じではないのであるね。黒髪ということもあるが、和服で縛られていると、顏を見なければ日本女性かな、と思うような「たおやかさ」があるんだよ。もちろんお顔は完璧なフランス女性のものなんだけれども。
 ゴルゴンヌさんは、四、五年ぐらい前から緊縛アートに目ざめ、フランスを中心とした地域で緊縛モデルとして活動してきたらしい。必然的にヨーロッパを席巻している日本のシバリアートと出会い、強く魅せられ、海外で活躍する日本の縄師や調教師たちと接触し、ついに「シバリアートの真髄を体験するため」に、去年日本へやってきた。
 その間、名うての緊縛アーティストがこぞってゴルゴンヌさんを縛って、動画や画像などはネットを通じて全国の緊縛ファンへと広められた。
 ぼくはこのところSMの世界からは離れてひきこもりがちだったので、ゴルゴンヌさんのことを知った時はかなり遅く、撮影会などで接触するチャンスも逃してしまった。長期滞在していたゴルゴンヌさんも、とうとうフランスに帰国してしまい、ついにご本人の緊縛姿を間近に見ることがかなわなかった。うーん、なんという不運。
——と嘆くぐらいに、ぼくはゴルゴンヌさんに惚れてしまったのだねえ。はは、年甲斐もなくてお恥ずかしい。(笑)
 ゴルゴンヌさんの緊縛美は、ネットで検索すればいろいろ見られると思う。ぼくが説明するよりも、それを見てくれれば「なるほど、これまでの金髪ガイジンにキモノ着せてみましたという緊縛ヌードとはまったく違う」ということが分かってくれると思う。
 ゴルゴンヌさんは、そう遠くないうちに来日してくれるようだ。その時は絶対、会いにゆくぞゆくぞ!

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