« 2015年10月 | トップページ | 2015年12月 »

2015年11月29日 (日)

敬語セックスでマンネリ打破!

_
(イラストレーション by 中村成二)
「そうか、その手があったか」と、思わず唸ってしまったのが、ネットに書かれていた「敬語セックスのすすめ」。提唱したのは官能作家仲間の大泉りかさん。
 カップルにとってセックスの大敵はマンネリ化である。毎回、同じことを同じようにやっていると刺激がどんどん失せ、やがては食事したりトイレに行くのと同じような日常的習慣になってしまう。最初の頃の、冒険するようなドキドキワクワク感が無くなると、セックスそのものがだんだん面倒になってきて、その結果がセックスレスだ。
 そのマンネリを打破しようと、男たちはいろいろなことを試みる。つまり「これまでやっていない、非日常的な行為」をセックスにとりこんで、新鮮な刺激をとり戻そうとするわけだ。それが下着やコスプレ、SM、アナルセックス、バイブなどの道具、または屋外でやることだったりする。
 ところがたいていの女性は、男性のそういう試みをすんなり受け入れてくれない。「怖い」「痛い」「恥ずかしい」という理由もあるが、女性は本来、これまで行なってきた路線から大きく外れたことを好まない、という気質がある。
 大泉りかさんは、そういうカップルに対して「敬語でセックスしてみなさい」と奨めているのだ。
 セックスの最中、言葉を相手を刺激する道具として使う方法に「言葉なぶり」というのがある。「こんなに濡れてるじゃないか。スケベな女だなあ」など、卑猥な、相手を侮辱する言葉で責めたてると燃える女性がいるのは事実だが、すべてがそうではない。かえって怒っちゃう女性もいる。決定的な刺激法ではない。
 ところが敬語セックスは、もっとハードルが低い。たいていの女性はレディースコミックなどで、そういうシチュエーションに慣れているからだそうだ。
 たとえば知りあった頃の、まだ姓に「さん」を付けて交際していた時期の言葉づかいで「〜しませんか」「〜してください」という言い方でも充分興奮できると思う。コスプレと同じ感覚で「お姫さま。もったいないことでございます」「苦しうない。慎之介、もそっと奥へ、奥へ入ってきませい」なんて時代劇がかってもいい。いろんな役割にあてはめて敬語を使ってセックスすると、気分はもう非日常! 新鮮な刺激が味わえると思うよ。さっそく試してみようじゃないか。

|

2015年11月21日 (土)

「隠れる」という快楽

_
(イラストレーション by 中村成二)
 先日、神戸で逮捕された「側溝に潜んで女性の下着を覗き見していた男」は、なんと二年前にも同じ行為で逮捕され「生れ変わるなら道になりたい」という名言(?)を発した人物と同一人と分かり、エロ方面の男たちを驚かせた。
「なんて懲りないやつだ」「そんなやつはアスファルトで道路に埋めこんじゃえ」と、彼を非難する声が圧倒的だったが、ちょっと違った観点から、この男の奇妙な行動を考えてみたい。
 この男は、少年時代から側溝に入って身を隠すことを好んでいたという。そうやって遊んでいるうちに、女性のスカートを下から見ることが出来ると気づき、覗きを行なうようになったのだろう。
 発端は「誰にも気付かれない場所に隠れる」という行為で、これは「かくれんぼ」遊びの時など、たいていの子供が経験をしているのではないか。
 ものすごく近くにいるのに、何かの陰になっていて、相手が気がつかないで通りすぎる——なんて時に味わう、あのドキドキワクワクという感覚を、大人になるまで持ち続けたのが「道になりたい男」なんだろうと思う。
 何しろ彼は、朝の三時頃から目的の側溝に潜りこみ、五時間も埃だらけの狭い場所に横たわっていたのである。たまたま髪の毛が隙間から出ていたのを気づかれ、捕まってしまったが、そうでなければ暗くなる夜まで、つまりほとんど一日じゅうそこに居続けたと思われる。それだけ女性のスカートの奥を見たかったのだろうが、同時に「まさかこんな所に」と思われる場所に身を隠していることの楽しさを味わってもいたと思う。というのは、このぼくも似たような欲望を持っているからだ。
 いや、ぼくばかりではない。エロ仲間の一人が「これを聞いたら江戸川乱歩なんか喜んだろうなあ」と呟いたように、子供の頃にかくれんぼ遊びで味わったあの快楽を今も忘れずにいる大人は多いだろう。「ド変態め」と罵って「それだけの情熱があったら何か別のことに使え」と言うのはたやすいが、確かに『人間椅子』のような作品を書いた乱歩と、その作品に大きな影響を受けたぼくのような人間には、どうも「道になりたい男」を一方的に非難する気にはなれないんだよねえ。
 といって彼の覗き行為は犯罪なんだから、それを許すわけにもゆかない。こういう趣味の人間はどういうふうに扱えばいいんだろうか。人のためになるぴったりの職業があればいいんだが。
 

|

2015年11月17日 (火)

ヒラリーとオノ・ヨーコの関係

_
(イラストレーション by 中村成二)
 LGBТという言葉はずいぶん普及してきた。もう説明不要だと思うけれど「レズ、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー(性転換者)」の頭文字をとった略語。つまり性的少数者(セクシャル・マイノリティー)のこと。
 最近は積極的に社会の表面に出て活動するようになり、「同性婚」を認める国も増えてきた。東京・渋谷区の「同性パートナーシップ条例」の成立など日本のLGBТ運動も活発である。
 しかし、半世紀ぐらい前までは、同性愛というのは「病気」だとみなされ、逮捕・投獄されたり精神病院に強制入院されるなど、偏見や差別はすごかった。そういう壁を崩してゆく時、強力な武器は有名人のカミングアウトだ。
 レズビアンの場合、これまでもジョディ・フォスターをはじめとするスターや有名人が「私はレズよ」とカミングアウトして、LGBТ運動に弾みをつけてきたのだが、最近ではオノ・ヨーコ(ジョン・レノン未亡人)がいきなりカミングアウトして、世界を驚かせた。
 いや、これにはぼくもぶったまげたよ。どういうわけか、日本ではあんまり話題にならなかったのだけど、アメリカでは相当騒がれた。というのも、相手は次期大統領選に出馬し、ひょっとしたらアメリカ初の女性大統領になるかもしれないと言われるヒラリー・クリントンだからだ。
 ロサンゼルスでイベントを催した際の記者会見で、オノ・ヨーコは突然「1970年代、ベトナム反戦運動が盛り上がっていた頃、運動を通じて私はエール大学の学生だったヒラリーと親密な関係になった。それはロマンティックな“フリンジ”だった」と発言したのだ。フリンジは突拍子もない過激な行動のことで、ふつう「浮気」をさす。当時はヨーコはジョン・レノンと結婚、ニューヨークで暮らしていたから、ヒラリーとレズ関係になれば、確かに浮気である。
 ヒラリー・クリントンはこれまでもレズ疑惑が濃厚で、子供を産むためだけにクリントン元大統領と結婚したのではないか、という噂が絶えなかった。ヨーコは、そのヒラリーがレズであることを表沙汰にしてしまったのだ。
 このことが大統領選にどう影響するか、それが注目されるのだが、保守的な層は反発するけれども、逆にLGBТ勢力の支持は得られる。しかしヨーコも今になって、どうしてそんなことを口走ったのかねえ。

|

2015年11月 7日 (土)

死を招く孤独な「遊び」

_  
(イラストレーション by 中村成二)
最近起きた「自殺のような他殺のような」事件を調べていて、ふと思い出した。
 前にこのコラムでも書いたことがあるのだが「自虐プレイ」というのがある。自分を虐めたいというマゾ願望(自虐願望という)に駆られて、自分で自分を縛ったり痛めつけたりして性的な興奮を得る「遊び」のことだ。
 もちろん遊びだから、死ぬつもりはない。しかし人に知られたくないので、密室とか人里離れた場所で行なうため、何かの拍子で予想外のアクシデントが発生し、ケガをしたり死んでしまうという「事故」が時おり発生する。
 以前も書いたが、自縛した上で感電プレイをしているうち、装置から火が出、本人は何とか助かったものの家を焼いてしまった——という事故のことがネットで告白されていた。
 そういう自縛事故のなかでも「これはたまらんなあ」と思ったのが、アメリカの片田舎で起きた自虐プレイによる事故。あるFBI捜査官が報告していた。
 人里離れた原野のなかで、男の死体が発見された。全裸で縛られ、首とペニスにも縄が巻きついていた。死体の近くにはトラックが乗り捨てられていて、彼はロープでトラックと繋がれていた。
 最初は「誰かが男を縛ってトラックで引きずって殺したのだろう」と思ったが、現場をよく調べたら、それは自虐プレイが原因の悲惨な事故だと分かった。
「誰かに虐められたい」という願望を満たすため、男は荒野のど真ん中にトラックで行き、裸になって自分を縛った上、トラックの後部と自分をロープでつないだんである。
 トラックのハンドルは少し傾けて、運転しなくてもぐるぐると円を描いて走るようにして、無人のトラックに自分を引き回させる——というアイデアを実行したわけだ。
 ロープには余裕をもたせ、最後は自分が運転席に戻れるようにしておいたのだが、そうやってトラックに引き回されるプレイの途中で、思わぬことが起きた。ロープが車軸に絡んでしまい、彼は運転席に戻れなくなったのだ。
 その結果、トラックは燃料が無くなるまでぐるぐると回り続け、自縛した男はどうすることも出来ず、引きずられるだけ引きずられたあげく、死んでしまったのである。
 うう、考えただけでも恐ろしい、みじめな死に方ではないか。いくらアイデアがよくても、予想外のアクシデントは起きるものだ。自虐プレイは「安全第一」を考えてやってね!

|

« 2015年10月 | トップページ | 2015年12月 »