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2015年12月26日 (土)

SMマニアを襲うインポ現象

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(イラストレーション by 中村成二)

 あるSMマニアの男性と4カ月ぶりに会った。前回会った時は、会食の席にかわいらしいお嬢さんを伴ってきて、みんなちょっとギョッとした。マニアの席に、SMと関係ない若い女性がいると、話せることも話せなくなってしまうからだ(そりゃあ部外者が聴けばエゲツない赤裸々な話題ばかりだからね)。
 その時、彼は「ご心配なく。調教中のりっぱなM女です。館さんの作品もいろいろ読ませています」と説明したので、みんな「えーツ」とのけぞってしまった。一から調教して自分好みのMパートナーをゲットする、というのは、Sの男性の究極の夢である。そのかた(仮にAさんとする)はS男たちの夢を実現してしまったのである。
 AさんはSMプレイの中でも緊縛に凝っていて、かなり厳しい縄をかける。私もその腕前には感心したことがある。
「そうか、このお嬢さんがAさんの手にかかって、会うごとにギリギリと縄をかけられて悶えているわけか。うーむ、けしからん!」
 同席したSの男たちは、みな同じ感想(というか嫉妬)を抱いたはずだ。
 四カ月ぶりに会ったAさんは一人で来た。
「おや、あのかわいいお嬢さん奴隷は?」と訊いたら、気まずそうに「逃げられちゃったんですよ〜」と言う。一同「えーツ」とのけぞってしまった。それは気の毒だ。彼もかなり落胆している。
 ふられた事情を訊くと、こういうことだった。「プレイに入る前のぼくは、けっこうセックスのほうもやる気まんまんなんですが、プレイに入って縄をかけたりほどいたりしているうちに、セックスのほうはどうでもよくなってしまうんですね。で、満足にセックスしてなかったもので、彼女はそれが不満だったようで……」
 それで彼女は、別のS男性に心身を捧げることになったらしい。
「そうかー、きみもSMインポにやられたか……」と、ぼくは言って深く同情した。
 実は厳しいSMプレイを好むS男性は、たいてい同じ症状(?)に悩まされ、パートナーを失なう例も多い。業界では「緊縛インポ」とか「縄インポ」とも呼ぶ。縛りに取り憑かれた男の職業病みたいなものかもしれない。
 本来はセックスの欲望を高めるはずのSMプレイが、本末転倒して、欲望を失わせるのだから、皮肉この上もない。これからSMマニアの道を進もうとするS男性は、くれぐれもSMインポにならないよう、気をつけてほしい。

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2015年12月25日 (金)

「第三の性」のサッカー選手

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(イラストレーション by 中村成二)
 先日、Amazonのプライムビデオ(会員は見放題)で『ネクスト・ゴール』という映画を見た。FIFAランキングで最下位に居続けた米領サモア代表のサッカーチームが、最初の一勝をあげるまでのドキュメンタリー。
 米領サモアというのは人口六万人。南太平洋のど真ん中のちっちゃな島国。プロ選手なんていないから弱い弱い。連戦連敗、かつてはオーストラリアとやって0−31で負けるという記録を作り「世界最弱のサッカーチーム」と呼ばれていた。
 そのチームを何とかしようとオランダ人の監督を招き、2014年のW杯に向けて鍛えられてゆく過程が描かれている。
 その練習ぶりや試合ぶりを見ていたら、何かヘンだ。男性チームなんだけど女性選手がいる。(笑) サムライジャパンの日本代表チームになでしこジャパンの澤がまじっているという感じ。長い髪を振って女走りで走る。最初は不思議でならなかったけれど、やがてその選手はトランスジェンダーなんだと分かる。LGBTのТ。体は男性なんだけど心は女性。その名はジャイヤ・サエルア。ディフェンダーである。
 新任の監督は、最初「女」であるジャイヤをベンチに留めるつもりだったが、練習で見せる戦いぶりを見て評価を変え、地区予選では彼女を先発に起用するのである。
 その第一戦、ジャイアは走っては1アシスト、守っては絶妙のクリアを見せてチーム初勝利の牽引力となる。やったね、思わず喝采してしまったよ!(まあ他のチームメイトもすごくがんばるのだけど)。
 途中説明されるのだが、サモアではジャイヤのようなトランスジェンダーはファアファフィーネ(第三の性)と呼ばれ、差別されるどころか「男でもあり女でもある」ということで、尊敬される対象だというのだね。
 調べると南太平洋ポリネシア一帯では、「第三の性」は呼び方こそ違え、どこでも尊敬されているらしい。だからシャイヤがレギュラーになってもチーム内では問題が起きないのだ。
 映画は日本でも去年公開されたけれど、ジャイヤは招かれて日本にも来て「美しすぎるサッカー選手」として紹介されていたのだね。日本では最悪「オカマ」とバカにされる存在が、南太平洋では尊敬されている。性的少数者に対する考えかたの違いを思い知らされる映画だったよ。関心のある人はぜひ見てほしい。

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2015年12月13日 (日)

男は女性ホルモンで若返る?

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(イラストレーション by 中村成二)
 ネットで活発に情報発信されている緊縛師の男性Kさんが「しばらくはセックスできない体になる」と言っているので驚いた。
 そのかたは四十代の男ざかり。非常に性欲が旺盛で、いつも周囲にMの女性を何人もまとわりつかせていて、満足させている様子。ぼくなんか羨ましくて仕方がないエネルギッシュな男性だ。
 その強い性欲ゆえにAV男優の仕事もこなしている人が、なぜ「一時的なインポ」になるのかと不思議に思ったら、なんと「肌や髪の老化防止のためだ」と言う。そのために女性ホルモンを体に投与するので、その副作用として、性欲が失なわれ、勃起もしなくなるのだ。
 エストロゲンなどの女性ホルモンは、男性が投与されると、女らしい体つきになる。肌がなめらかになり、体毛が失せ、肉付きがふくよかになる。もっぱら「女性になりたい」というGID(性同一性障害)の男性に治療の一環として女性ホルモンの投与は行なわれている。しかしKさんはいたく女性を好む、まったく正常な男性だ。
 それなのに女性ホルモン投与に踏みきったのは、四十代になって目立つようになった、シミの増加、肌の衰え、さらに白髪の増加だという。永遠に若さを保ちたいKさんにとって、そうやって劣化してゆく肌を見るのは耐えがたいことらしい。
 こういう劣化に対抗するアンチエイジング法というのはいろいろあるが、Kさんは「女性ホルモン」という過激な療法を選んだわけだ。
 調べると、男性のアンチエイジングのために女性ホルモン治療をしてくれる医者がいて、現在はヒト由来ホルモン2種と植物由来ホルモン1種を処方してもらっているという。その結果、自分のブログに「43歳バカボンのパパと同い年とは思えない美肌を作れました。肌だけなら美女です(爆)乳房でなく胸板も厚くなったのは意外だったけど(汗)」と書いている。
 もちろん、副作用によって勃起力は失われたが、緊縛師としての活動力まで失なわれたわけではなく、女性に対する関心も旺盛のようだ。
 さらにメリットもある。M女調教師として他の男性から妻や恋人の調教依頼を受けやすくなったというのだね。「調教されるのはいいがセックスされるのはイヤだ」と思う男性が、彼なら安心して委ねられるわけだ。
 しかし、調べると女性ホルモンの投与は副作用がいろいろあるから、自分勝手にやらないよう、くれぐれも注意が必要のようだ。

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2015年12月 9日 (水)

アクロバティックキスって何だ!?

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(イラストレーション by 中村成二)
「いまの中高校生の間で、アクロバティックキスというのが流行っているらしい」と知ったのは、週刊プレイボーイの記事から。みうらじゅんさんが「詳しく説明するのは面倒だから、ネットで検索して動画で見てくれ」と言っていた。
 動画サイトYouTubeで検索したら、確かに実行例がいっぱいあって驚いた。ぼくの高校時代なんか、ガールフレンドとキスするなんて、それこそ清水の舞台から飛び降りるぐらいの勇気が必要で、ドキドキワクワク、ガタガタブルブルしながら実行したものだけれど、今は中学生でもこんなトンデモなことをしてるとは……。思わず「け、け、けしからん! だけど羨ましい——」と叫んでしまったではないか。
 まあネットで動画を見られる人はそれが一番早いが、文章で説明してみよう。
 男の子と女の子が向かいあって足を少し広げて立つ。女の子は男の子の膝の間に頭が入るぐらい上体を折り曲げ、自分の両手を自分の股の間からお尻のほうへ突き出す。男の子は両手を伸ばして女の子の股から突き出た手首を握る。
 その態勢で男の子が女の子の手首を思いきり自分のほうへ引っ張ると同時に、女の子は自分の体を前転させる。弾みをつけてやると女の子の体はぐるりと回って男の子と向かいあう形になる。その時、女の子は股でしっかり男の子の腰をはさみ込み、両手で男の子の首にしがみつく。
 結果的には「駅弁スタイル」のように、男の子が女の子を腰のところで抱っこする姿勢になるわけで、そこでチューすれば、アクロバティック・キスは成功ということだ。
 うーん、確かに文章で説明すると面倒だなあ。動画で検索すると一目瞭然。大勢の少年少女カップルが、実に楽しそうに実行している。なかには失敗して倒れこんじゃうこともあるが、倒れたら倒れたまま抱きあってチューということになるから、どっちにしても楽しいだろう。中にはお父さんと娘がやってる動画もあったよ(さすがにキスはしてないが)。
 女の子がスカートだと、回転する拍子にパンツが見えちゃうから、なかなか健康的にエッチだ。二人が協力しないと成功しないからちょっとスポーツ的感覚もある。
 いったい誰が考えたのか知らないが、ネットで発表されると、中高生の間でまたたく間に広がったらしい。知らぬは中高年のおっさんだけだが、これが出来るのは体が柔らかく機敏に動ける十代、二十代ぐらいまでで、おっさん世代はぎっくり腰になる確率が高いから、やめておいたほうがいいと思うよ。

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