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2016年1月25日 (月)

コレクターが男に多いのは……

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(イラストレーション by 中村成二)
最近、異様な写真を見た。最初に見た時はそれが何だか分からなかった。広い部屋に、奇妙な物体が何十個となく並べられているのだ。前衛的な芸術表現かなと思ったよ。
 しかしよく見ると、並べられているのは自転車のサドルだった。女性用自転車のサドルに異常な欲望を覚えた男性が盗みまくった「コレクション」を、逮捕した警察が報道機関のために陳列してみせた写真だったのだ。
 たとえば女性の下着なら、盗んでもそんなにかさばらない。しかし自転車のサドルとなると、一個であってもかさばる。場所をとる。それを何十個と盗んだのだから「どうやって保管していたのだ」と呆れてしまう。
 そういう話を呑みながらしていると、やはり「変態であってもなくても、モノをコレクションするのは絶対的に男だよな」ということになる。美術品からガラクタにいたるまで、コレクターとか収集家というのは、まあたいてい男だ。
 なぜ男ばかりがモノを集めてため込むようになったかは、いろいろな説があるが、一般的には「狩猟本能」に基づくと言われる。かつて男性は外に出て猟をし食料を得て女や子供たちのところに持ち帰った。いつもいつも獲物が獲られるわけではないから、食べられそうなものは、なんでも見つけては持ち帰る性質が身についた。
 面白いことに、それが「ためこむ」という行為に結びついたのは「待っている女に叱られないためだ」という学説があるんだね。
 男が食料を持ち帰らないと、当然なことに女は落胆する。文句を言う。叱る。「セックスさせないよ」と脅かす。妻がいる男ならみんな思いあたるだろう。
 だから男は、獲物を全部持ち帰らず、少しは別のところに隠しておき、その日の獲物が無かった時には、その隠し場所から持ち帰って女のご機嫌をとるようになった。その習慣が「収集癖」として男の遺伝子に組み込まれてしまった。よってコレクターは男が多いのだ——というわけだ。
 つまりは「夫を尻に敷く女」が原因だったというわけで、奇想天外な説のようで「なるほど〜」と思う男も多いだろう。
 もちろんコレクターの心理は狩猟本能ばかりでなく「集めないと気がすまない」という強迫心理と結びつく。そうなると異常なモノ集めに熱中するようになり、それはもう病気としか言いようがない。自転車のサドルを何十個と集めたがる男は、大昔なら優秀なハンターだったのだろうかと、ふと考えてしまうのである。

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2016年1月16日 (土)

変態フェチはなぜ男だけ?

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(イラストレーション by 中村成二)
 男と女がほどよく混ざった飲み会の席で、あの男のことが話題になった。昨年末、世間の話題となったキングオブコメディ高橋の制服泥棒事件だ。
 白昼堂々、中学校や高校の校舎に入って、女生徒の制服や体操着や下着を盗んでいた。二十年も前から六百回以上も犯行を重ねていたという。
 女性たちの感想は「どうして男って、こんな変態フェチが多いの? 理解できない」っていうのが多い。そう言われると男性も「そういえば、女に変態フェチっていないよなあ」と首を傾げながら同意する。
 確かに女性が男性の下着を盗んだり、浴場を覗いたりするなって聞いたことがない。ぼくはそのことをかねがね不思議に思っていたので、まあ、ちょっと調べてみた。そうすると、実にいろんな説がいろんな学者から提唱されていて、頭はますますこんがらかってしまったのだが、そのなかに「なるほど」と思った説があった。
 もともとは、人間の繁殖のための性欲に、男性と女性で差異があるからなんだそうだ。
 女性にとって、性欲というのは、繁殖に際してはそれほど必要ではない。極端にいえば、無くても妊娠できる。重要なのは男の性欲で、男が発情して女を求めて積極的に行動しないかぎり子孫を残せない。
 そのため、自然(神さま)は、男性の性欲がどんな時でもどんな相手でも発動するように、発情する装置を敏感に作った。それで男は、女性よりも性欲を刺激されやすい。女の体の一部だけを見ても発情する。髪や肌に触ったり、体の匂いを嗅ぐだけでも発情する。そういうふうに作られているから、男は女と出合うと、自然に性欲が高まり、セックスを求め、子孫を残す。性欲が強い個体が、生存の確率を高め、勢力を広げてゆくことができた——。
 ところが、人間が社会を築き、そのなかでいろいろな制約が課されるようになると、男はいつでも誰とでも性交できるわけではなくなる。まず一人前に女性を養える身にならないといけない。そうそう簡単に繁殖のパートナーを得られない。そうなると男は、敏感な性欲をなだめるために、自慰つまりオナニーを頻繁に行なうしかない。その時、一番、敏感な発情装置が激しく反応する「癖」がついたのが「フェチ」で、その癖が過度に特殊なものになったのが変態フェチというわけだ。男なら理解しやすい理論だ。きみもぼくも思いあたるよね。

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2016年1月10日 (日)

少子化を救うのは「おばさん」だ!

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(イラストレーション by 中村成二)
 日本の少子化現象は、ますます拍車がかかってきて、お先真っ暗状態なんだそうだ。
 生まれる子供が少ないのだから産科の病院や医師も少なくなっている。知りあいの童話作家さんは「子供が少ないので絵本の重要も減ってきて、ぼくなんか半分失業状態です」と嘆いていた。
 政府も、なんとか少子化を食い止めようと躍起だけれど、その効果はあがっていない。いろいろ原因が言われるけれど、ぼくは若い男性の性欲にブレーキがかかっているのが一番の原因だろうと思う。
 最近の若者の多くは「女の子って、なんだか面倒だ」という気持を抱いている。積極的にアタックして彼女たちをゲットして、せっせとセックスを楽しんで、その結果、子供が出来る——という正しい過程の、最初のスタート時点でブレーキがかかっては、少子化になるのも当然だ。
 昔は若い男たちは集団を作って、そのなかでワイワイやってるうちに女性とのつきあい方を学んで、カップルを作るようになったのだが、今の若者は孤立して、ますます女性とうまくつきあえず「中年童貞」が増えてゆくばかり。そういう状況をどうやって打開したらいいのだろうか。
 そうしたらある人から、津田塾大の教授で三砂ちづるさんというかたの論を教えられた。保健学の研究者として長く働いてきた経験から、三砂さんは「子育てを終えた女性は、若者の性教育に自分の性を使って、女性の身体性をとりもどすべきだ」と提唱しているらしい。
 ぼくは「これだ」と思ったね。子育てを終わった女性の大半は、そこから先は「女」を捨てて家庭のなかに埋没しがちだけれど、実は「結婚・妊娠・出産・育児」という経験を経て、実に豊かな女性性を蓄えている。もちろん今は孫がいるのが信じられないという、若々しい中高年女性はいっぱいいる。三砂さんは、そういう熟女さんたちに「もう一度、女にかえりなさい」と激励しているのだ。
 なるほど、そういう充実した熟女世代のパワーを「女子が怖い」と引っ込み思案になっている若者たちの「性のコーチ」として活用する場が出来れば、少子化を阻止できるんじゃないかな。
 具体的な方策としては、例えばだけれどネット上に「なんでも相談にのってあげる、おせっかいなオバサンがいっぱいいる若者相談所」みたいなのを作ったらどうかしら。政府も考えてみたらどうだろう。

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2016年1月 2日 (土)

エロい年賀状はいかが

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(イラストレーション by 中村成二)

 しかし早いもので、年賀状を書くのに苦労したのが、ついこの前のような気がしたら、もう一年が過ぎてしまった。

 この年賀状というやつ、毎年もらうけれど、どうも心に響くものが少ないね。年賀状そのものの役目が「新年のご挨拶」で、早く言えば「まだ生きてるよ、元気にしてるよ」という通知状だから、どんな形であれ「とりあえず出しておく」ということが大事。心がこもってようがこもってなかろうが、独創性があろうが無かろうが関係ない――と思われがちだ。その結果、ワンパターンの、誰からもらっても同じような年賀状ばかりになってしまう。

 まあ公的な職業についている人が、あまりにも独創的なデザインの年賀状を作る必要もないけれど、ぼくらのようなモノカキ、それもエロい小説なんか書いてる人間としては、そういうワンパターン年賀状ではものたりない、何かもうひと工夫しなきゃと思う。エロが商売なんだから、年賀状もエロいもの、「さすが官能小説家だ」と感心させるようなものにしたい、と毎年考えるのだが、結局怠け者の性分なので、最終的には独創性などどこへやら、というものになってしまう。

 そこへ行くと、仕事関係でつきあいのあるイラストレーターやデザイナーさん、いわゆるアーティストと呼ばれる人たちは、やはり違う。毎年もらう林静一さんの年賀状なんか、そのまま額に入れて永久保存したいぐらいのすばらしい「作品」として届く。

 じゃあ官能作家だから、自分のエロ小説のさわりでも印刷したらどうか、と思うけれど、年賀状の大きな制限は「ハガキなので人目に触れる」ということだ。だからひと目で「これはエロい」というようなものを書いたり描いたりできない。

 その制限をどう乗り越えるか。ぼくが工夫したものの一つは、近くから観るとただの模様だけれど、離して逆さにするとエッチな絵として見える画像をプリントするものだった。しかし受け取った友人知人から反応はゼロだった。見方を教えなきゃ、そりゃ誰もわからないよね。

 ある年はカラー画像をプリントした。エッチな画像つまり女性のあそこをパソコンに取り込み、ソフトで反転したのだ。受け取った人がスキャナーで画像を読み取り反転してくれれば、それはそれは興奮度最高のエッチ画像が現われる――という仕組みだったが、それに気付いた人はゼロ。つまり誰もが年賀状には不感症になっているのだね。でも、何とかエロな年賀状を送りたいものだ。また来年が来る前に、何か思いつくかなあ。

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