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2016年4月30日 (土)

女体を知らないバカ男たち

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(イラストレーション by 中村成二)

 熊本の大地震では、ライフラインが途絶えたうえ、家屋の倒壊や、余震の影響で避難所暮らしを強いられる人々が大勢発生した。
 そういう人たちへ水や食料、生活必需品が配布されているわけだけれども、その過程でいろいろな問題が発生し、ネット上で激論が交わされている。中でも私が呆れかえったのは、ツィッター上で吐かれた「避難所生活で女性の生理用品は贅沢。他の品を優先しろ」という男性の意見。プロフィールでは愛国者を名乗っている。
 これには当然、女性たちが激怒した。いっぽう贅沢説に賛同するバカな男たちも多く、だいたいが「ティッシュを詰めておけばいいじゃないか」ぐらいの考えで非難している。冷静な女性がいて「ではヤクルトの35ミリリットル瓶に水を入れてあなたの股に逆さにしてティッシュで押さえてみなさい。あっと言う間に濡れちゃいますよ。女性は二時間もすれば下着もズボンも血で染まります」と、生理出血がどれだけ女性を悩ませるものかをていねいに教えていた。
 まあぼくも女性ではないから生理出血の処理については熟知しているわけではないけれど、日常、女性と暮らし、あるいは接していればそれがなかなか大変なことは分かってくる。それなのに本来知っていなければならない年配の男性にして「生理用品など不要不急のもの」という誤った認識が刷り込まれていることに今さらながら驚く。
 これは東北大震災の時の「うわさ」であるが、ある避難所に生理用品が届けられた時、配分を仕切っていた男性が「こんな不謹慎なものは要らない」と返してしまった——という事件が伝えられている。検証されたわけではないが、「そんなことはあっただろうな」と、誰もが思ってしまうぐらい、この問題についての男性の認識不足はひどいもんなんである。
 それはやはり学校や家庭で性教育が不足していることに繋がるんだろう。女性の側もふだんあまり問題にしないということもあるだろう。もともと男というのは、女性の体については「セックスが楽しめればいい」ぐらいに思う、勝手な生き物だからねえ。
 官能小説なんか読んでも、生理に悩む女性とか避妊を気にしてセックスするカップルなんて登場しない。官能小説ではタブー視されているからだ。ちゃんとした女体の真実を書かない官能小説家も、反省しないといけないなあ、と悩んでしまうよ。


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2016年4月28日 (木)

セックス産業が嫌いな議員さん

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(イラストレーション by 中村成二)
「えッ、こんなこと言っていいのか? 逆効果だろ」と、アダルトな大人たちを騒がせたのが、衆院議員の長崎幸太郎氏だ。
 自身の「カネと女」問題を告発する文書が出回ったことを週刊誌に書かれて、否定する文書を出版社や支援者に送ったのだが、その文章に書かれた女性観が、ちょっとひどいんである。
 告発文書で「議員はソープに通っている」と書かれたのが気に入らず、まずこんなふうに否定している。
《私は、生来の潔癖な性格から、女性観については、独自かつ高邁(こうまい)なものがあり、書かれているような所(注・ソープランド)に出入りするような性癖はごさいません》
「潔癖だから、ソープのような汚れたところには行きません」という意味のことをしゃあしゃあと言ってのけるのは、まあ支持者(特に女性)に向けての言い訳だから許すとして、そのあとがひどい。
《(自分の)配偶者は、東大卒の才媛であり、その点から、私の潔癖な性格と独自かつ高邁な女性観、を忖度賜れば幸いです》
 つまり「東大を出るぐらいの頭のいい美人でないと、私やセックスしないんだよ」と言っている。自慢なのか何なのか、ちょっと頭が痛くなる発言だ。そしてこうくる。
《「誰が来るかもわからない不潔な環境において、どのような素性ともしれない、しかも『高学歴の才媛』という自身の好みとは対極に位置する女性と、進んで同衾したい」ということもなく……》
 つまりソープを含めて、セックス産業に従事する女性はすべて「不潔な環境にいる素性の知れない、つまり頭の悪いブス」と言ってることになる。自分はものすごく高いところからセックス産業とそこに働くセックスワーカーの女性たち見下して、軽蔑して、「おれは清潔で高邁なんだから、おまえらなんか全然相手にしないんだぞ」と威張ってる。
 これは女性蔑視であると同時に、エッチが好きで、そいう世界で楽しく遊ぶことを心がけている、私や、この欄を読んでいる大多数の男性をも蔑視しているわけだ。もう胸くそが悪くて仕方ない。そんなに聖人君子ぶりたいのか。いくら支持者や妻に対する言い訳とはいえ、ここまで人をバカにするというのは、それこそ人間性が疑われるというものだ。
 最近の自民党、女性蔑視の発言をする議員が相次いでいるけれど、ちょっと傲慢がすぎるぞ。あー気分が悪い。

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2016年4月27日 (水)

夢で出来た遠距離セックス

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 今年のエイプリール・フールのネタで、ちょっと面白かったのが『イリュージョンVR』という製品が発売された、というニュース。
 VRというのは「ヴァーチャル・リアリティ」。パソコンに繋いだ特殊な眼鏡をかけると目の前にいろいろな風景が広がって、自分があたかも別な空間にいる気にさせてくれる。そのニュースでは、眼鏡だけでなくセンサーをつけた疑似おっぱいと、ペニスを刺激する疑似女性器を装着したスーツが一式五万円で発売された——と報じていた。そうすると目の前に現れた美女を抱いて、いろいろ愛撫しながら本当のセックスしている気分を味わえるわけで、ぼくなんかうっかり「そりゃすごい。買ってみよう!」なんて思って、完全にひっかかってしまったよ。(笑)
 まあ実際のVRソフトもハードも日進月歩の世界だから、あと一、二年もすればそういう製品は発売されるかもしれない。離れたところにいる男と女がVRスーツを着てコンピューターで繋がれば「遠隔セックス」が可能になる。遠距離恋愛のカップルは大喜びで買うだろう。
 そこでフッと思い出した。ずいぶん前だけどネットでいろいろ情報をもらっていたある女性から不思議な体験を打ち明けられたことがある。
 彼女は当時つきあっていた彼とは東京と大阪ぐらい離れた遠距離恋愛だった。ある晩彼女は、電話で愛の言葉を伝えあった後、ベッドで眠っているうちいつの間にか離れた彼の所にいて同じベッドで抱きあい、セックスをしておおいに楽しんでいる夢を見た。イッたあと目が醒めたらパンティがぐっしょり濡れていた。つまり「淫夢」を見たわけだ。
 翌日、彼に電話してそのことを話したら、なんと彼も同じ夢を見ていたという。眠っているところに彼女が入ってきたので、ベッドで抱きあい、激しく愛しあい、彼女の体のなかで果てた、という夢だ。目が醒めたら夢精していた。どうも二人はまったく同じ時刻に互いにセックスする夢を見ていたことになる。
「毎晩、こういう夢が見られたら遠距離恋愛も苦しくない」と喜んでいたけれど、残念なことに二度とそういう体験は得られなかったらしい。不思議だけど心温まる話として覚えていた。いい話でしょ?

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2016年4月 9日 (土)

SM夫婦は長続きするか?

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(イラストレーション by 中村成二)
 最近、ネットで見つけた情報に「結婚相手の条件にSMプレイを求める婚活者」というのがあった。結婚相談所にやってきて「SMプレイしてくれる相手を見つけてくれ」と頼むやつが少なからずいるというのだね。
「結婚にはセックスの相性というのが重視されるのは分かるが、特殊な性癖まで要求されては本来の目的から逸脱する。そういう相手は出合い系サイトで見つけてください」と、どこの結婚相談所も断るんだそうだ。まあ当然だろうね。
 SM作家としていろんな人と会い、体験も重ねてきたから、夫婦でSMプレイを楽しんでいるカップルを何組も見ている。うまくいってる夫婦もいれば、破綻した夫婦もいる。友人のSの男性は、SMクラブ通いをしているうち「理想のM女性」と出会って結婚し、周囲から羨まれたが、数年後には別れてしまった。
 どうも夫婦になってしまうと、性生活よりも家計の問題とか家事の問題のほうが優先されて、セックスレスというかSMレスの夫婦になってしまいがちだ。他人としてプレイするから刺激的なわけで、夫婦になってしまうと刺激が薄れちゃうという理由もあるかな。
 それでも仲良く暮らし続けているSM夫婦のことを思い出していると、彼ら彼女らに共通した傾向に気づいた。それは「第三者を加えたプレイに積極的である」こと。
 夫婦になってしまうと、SMプレイでなくても、どうしてもセックスレスになりがちだ。ところが別の誰かを呼んで3Pとか4Pを行なうと、刺激が生まれる。NTR(寝取られ)プレイに耽溺する中年カップルなんかは明らかにそうだ。
 私の知ってる、継続してSMプレイを楽しむ夫婦は、みな、第三者を加えるか、SMパーティに行くか、あるいはMの奥さんをSの夫が「他の男」に貸し出すようなプレイを好んで実行している。
 こうなってくると「結婚とは何か」という根本から考えないといけなくなる。「ひと組の男女のカップルが死ぬまでお互いとだけセックスする」という形態の結婚では、SMカップル夫婦は長続きしない(ぼくの見たかぎりだけどね)。夫婦して同じ趣味の男女と交流しながらさまざまな形のSMプレイを楽しむことが出来るかどうか、それがSM夫婦にもっとも求められる「資格」だと思うよ。
 最初から「SMプレイをしてくれること」という条件で相手を求める男(や女)は、そこらへんを考えて、覚悟して伴侶を求めることだね。あ。なんかエラそうだな。(笑)

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2016年4月 1日 (金)

人種差別が産む快楽

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(イラストレーション by 中村成二)
 今年の米国アカデミー賞は「ホワイト・オスカー」問題で大揺れに揺れた。男女の主演・助演賞にノミネートされた20人の俳優全員が白人で、黒人やヒスパニックなどマイノリティの俳優は一人も選ばれなかったからだ。これはアカデミー賞候補を選定する会員が白人が多く、しかも保守的な高齢者が多いことに原因があるとされる。「白人による白人のための授賞式なんか出られるか」と、黒人のスターが何人も欠席した。
 司会は黒人コメディアンのクリス・ロックだったが、冒頭からこの問題についてジョークを交えて、白人による黒人差別意識を糾弾した。
 たとえば火星にとり残されて死んだと思われてた宇宙飛行士が「おれは生きてる、助けてくれ」と地球に呼びかける映像を流す。もちろん映画『オデッセイ』のパロディなのだが、宇宙飛行士は黒人。もとの映画のなかでは、地球側は大騒ぎになるのだが、パロディ動画のなかでは二人の白人管制官が「なんだ黒人か」「スポンサーが金出すかな」「見なかったことにしよう」と言って、スイッチを切ってメシを食いに言ってしまう。現実にはあり得ないだろうけど「それほど黒人は差別されている」という訴えは、笑いと共に日本人のぼくらにも痛切に届いた。
 で、話はガラリと変わるのだけど、今はネット上の動画サイト(たとえばXtubeなど)で世界中の人間がやってるエッチな行動が見られる。何を見るかは「カテゴリー」で関心のあるキーワードを選んで決める。最近のぼくはその中の「インターレイシャル」というのに注目している。「人種間セックス」という意味かな。その多くは白人女性が逞しいペニスをもつ黒人男性に抱かれているもので、何人もの黒人男性と交わっている映像も多い。
 これは黒人男性向けに作られているような気がするが、実のところ白人男性が喜んで見ていることに気がついた。どうも「優位である自分たちの女が劣った(と思いこんでいる)黒人に犯される」姿を見て異常な興奮を味わうみたいなんだね。いわば人種間のNТR(寝取られ)映像なわけだ。
 ふだんはバカにしたり嫌ってるのに、その黒人が自分たち白人の女を犯したり、乱交したりしてる映像を見て興奮するというのは、強い差別と偏見があるからこそ成立するわけで、日本で同様なものが生まれても不思議のない、エロの必殺カテゴリーのような気がするね。
(下の画像はインターレイシャルのカテゴリーから拾ったもの。黒人男性による白人女性のギャングバング(一対多の乱交プレイ))
Photo

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