« 『賢者タイム』で嫌われるな! | トップページ | ポルノ商品は匂いで勝負! »

2016年12月17日 (土)

冬のフェチいろいろ

__5
(イラストレーション by 中村成二)
 年の暮れも近づくと、冬もいよいよ本番だ。寒さがグンと厳しくなる。人間はいろいろ着込んでムクムク状態になる。そうなると肌や下着は隠されてしまうので、街なかでフェチ趣味を愉しむ機会が少なくなり、フェチ男にはつまらない季節になるだろう——とふつうは思う。しかし、違うのだね。冬には冬の、冬ならではのフェチを楽しむ男たちが、今度は喜び始めるのだ。
 まずはタイツのフェチがいる。厚くてパンティも透けて見えないぐらいのモコモコしたタイツを履いた女性が好き、という男にとっては通勤・通学の時間帯は至福の時になる。
 ブーツ・フェチというのは、ぼくもそのケがあるのだけれど、やはり冬でないと見られないから、これも嬉しい。ブーツの踵をカンカン鳴らしてさっそうと歩くのは夕方ご出勤のお水系の女性だ。
 マスク・フェチというのも、風邪が流行る冬は嬉しい嬉しい。自分で着けるのが好きなタイプもおおっぴらに着けて歩ける。
 女子高生なんか、寒い朝、毛糸とか厚いウールのマフラーを口が隠れるぐらいに巻いて登校している。あのマフラーに萌えてしまう男というのも案外多いんじゃないか。ぼくなんか見惚れてしまうけれどね。毛糸の手袋とセットになってるとなおいい。
 そうやって、冬の街角を歩く女性たちを眺めて楽しんでいると、思い出すのが毛皮のコートである。
 ぼくが最初にパリを訪ねたのはやはり今ごろの季節だった。パリジェンヌはみな、コートを着て歩いていた。ある時、街をブラブラしていたら、向こうから三十代ぐらいの女性が豪華な毛皮のコートを着て歩いてきた。
 ファッションモデルみたいなメイクで歩き方もさっそうとしている。「うわー、やはりパリの女ってすごい」と思っていたら、彼女、なんと数メートルぐらい手前でいきなり、毛皮のコートの前をパッと広げた。
 目に飛び込んできたのは下着一枚も着けていない白いヌード。股間には黒い三角形。ぼくは瞬間、夢でも見てるのではないか、と思った。次に「この女は露出狂なのか」と思った。呆然と立ちすくむ日本人観光客(ぼく)とすれ違いざま、彼女はニッコリ笑いながらウインクして去っていった。ハイヒールの踵をカンカン鳴らしながら。
 その衝撃の出会いを現地の人に話したら、「それは娼婦ですよ。客引きの常套手段なんです」と言われて、もう一度びっくりしたね。
 冬になると思い出す。パリの娼婦たちは今も全裸に毛皮のコートを着て歩いているのだろうか。

|

« 『賢者タイム』で嫌われるな! | トップページ | ポルノ商品は匂いで勝負! »