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2017年3月27日 (月)

マゾの不思議が分かった!

 ぼくは官能小説を書いているけれど、専門はSMである。おかげで、その世界の人たちとはけっこう交流ができて、いろいろな体験を味わうことができた。
 しかしSMマニアと接していつも驚くのはマゾの人たちのありようだ。サドは自分がそうだからよく分かるけれど、マゾはよく分からない。もともと人間には「快楽原則」というものが備わっていて、苦痛を避け、快感を求めるように行動する。現在の文化というのはこの原則の上に成り立っている。
 それなのに、マゾの人はその反対をゆくのである。拘束されて、恥ずかしい恰好をさせられて、鞭で叩かれたり、●●や××や、ここでは書けないひどいことを一杯されて痛い痛いと泣き叫ぶ。なに、無理強いされるわけではなく、自分から求めてひどいことをされて、最終的には快感を覚えているのである。とそのありようは快楽原則から外れているとしか思えない。
 今では、苦痛や屈辱を味わうと脳内麻薬と呼ばれる物質が分泌されて、ホントに気持ちよくなるメカニズムが内蔵されているからだと分かっている。SMの「調教」というのは、その快感メカニズムを動かす訓練に他ならない。
 しかし、マゾの女性に聞くと、ほとんどがそういう調教を施される前から「いじめられたい、ひどい目にあわされたい」という願望を抱いている。だからサドのぼくが書いた小説もけっこう読んでくれている。どうしてそんなふうになるのか、マゾではないぼくは、ずっと不思議だなあと思っていたのだが、最近ネットの「AМ」というサイトで、脳研究者で東大薬学部教授の池谷裕二さんがインタビューに答えているなかで「そうだったのか!」と思う言葉が目に飛び込んできた。池谷さんはこう言うのだ。
「現実ではないとわかっていることを想像するのは、実は気持ちがいいんです」
 そうだったのか! ぼくが書いたSM小説をマゾの女性も買ってくれるのは、現実ではないことを妄想して気持ちよくなる効き目があるからなのだ。
 人間はもともと支配されて不自由な状態にいることが気持ちいいと感じる生き物なので、そういう状態を妄想するだけで、もう快感を覚えてしまうのだ——と、ものすごく簡単に要約したけれど、マゾの人にとってはぼくの小説もそれなりの効用があるらしい。なんかスッキリしたぞ。
(画像は参考イメージです)
Ashleyintro

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