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2017年3月27日 (月)

ホテルが怖くなる本

 最近出版された『覗くモーテル観察日誌』(ゲイ・タリーズ、文藝春秋)というノンフィクション本には驚かされた。
 ゲイ・タリーズは『汝の隣人の妻』などのベストセラーを発表した有名なジャーナリスト。1980年、コロラド州デンバー市に住む男から手紙をもらう。「私は自分の経営しているモーテルの各部屋に覗き穴を設け、そこから客に知られることなくプライベートな動向、特にセックスのありさまを観察してきました。興味がおありならこれまでの記録をお見せしたい」という内容。タリーズは半信半疑で現地に飛び、そこでジェラルド・フースという人物に会い、モーテルの仕掛けまで見せてもらう。平屋のモーテルの屋根裏を通路として、各部屋の天井に通気孔に見せかけた覗き穴を作り、好きな時に好きなだけ、客たちの行動を監視しできるようにしてあった。タリーズは実際にそこからカップルのセックスを覗かせてもらった。
 フースという人物は少年時代、近くに住む叔母夫婦の寝室を覗き見し、全裸で歩き回る叔母の姿に魅せられてオナニーを繰り返し、覗き魔になってしまった。その欲望を満たしたいために、わざわざ覗き見しやすい構造のモーテルを買い、経営者になったというから、その情熱には驚かされる。
 さらに驚くのは、彼は結婚し子供もいたが、看護師をしていた夫人も説き伏せ、自分の趣味に協力させたこと。つまり夫婦そろって覗きの欲望を満足させていたのだ。時には眼下のセックス行為を見ながら自分たちもセックスしたという。そうやって何百人ものカップルの行為——なかにはオナニーや近親相姦や獣姦やグループセックスや殺人もあった——をフースは日記に詳しく記録し、それを全部、タリーズのもとに送りつけたのだ。引退したあと、老齢のフースはそれらを公開することを許可した。それをまとめたのがこの本で「覗き」に興味がある人(ぼくも大好きだ)はぜひ読むべきだろう。
 フースは自分の行為を反省などせず「現代の人間のほうがあらゆる場面で覗かれている」とうそぶく。確かに今は覗き穴など作らなくても精巧な盗撮カメラをどこにでも取り付けられ四六時中の録画も可能だ。それが仕掛けられた宿泊施設はいろんなところにあるのだろう。日本だってきっとある。それを考えるとラブホなんか利用するのが怖くなるよ。しかしフースの記録はぼくのようなエロ作家には非常に参考になったなあ。
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