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2017年6月 8日 (木)

痴漢という誘惑

 先日、知人と会う予定で出かけたら、相手が大幅に遅れてやってきた。痴漢のせいで電車が途中でストップしたという。JRのどこかの駅で、痴漢をした男が捕まりそうになって、追跡を逃れてプラットホームから線路に飛び降り、線路伝いに逃げたのだ。おかげで後続の電車まで長いこと運転停止になってしまい、乗客は大変な迷惑をこうむった。彼もプンプン怒っていた。
 ネット上にはすぐ、乗客がスマホで撮影した犯人の逃げる姿がアップされていた。結局逃げおおせたみたいだが、被害者や周囲の人間に顔を見られているのだから、これからはビクビクしながら電車に乗ることになる。
「しかし、捕まれば社会的な非難を浴びて、職も家庭も失なうことになる。どうしてそんな危険を犯して痴漢なんかやるのかなあ」と、知人は不思議がっていた。ぼくは「そいつはたぶん、地方出身で、女性にモテない期間が長かったやつだろうな」と答えた。つまりずっと昔のぼく自身みたいな奴だ。
 地方出身のぼくは東京の大学に進み、下宿から通学していた。最初に驚いたのは朝の通勤通学ラッシュだった。ぎゅうぎゅう詰めの電車やバス。ヘタなところに乗ったら目的の駅で降りられない。乗るのが怖かった。
 しかしある程度慣れてくると「通勤ラッシュも悪くない」と思うようになった。それは若い女性や色っぽい女性と肌が密着する機会がいっぱいあるからだ。髪や肌の匂いが、まだガールフレンドが出来ない若者を刺激する。もちろん初夏から盛夏にかけてどんどん衣服は薄くなり、柔肌の感触も悩ましく伝わってくる。どうしたって「もっと触りたい」と思ってしまう。
 しかしまあ、それだけで痴漢になる男はいない。痴漢にハマるにはもう一つの偶然が必要なのだ。それは「触られてもイヤがらない」ように思える女性と触れ合った時だ。
 まあ99パーセントの女性は痴漢に出合ったらイヤだと思う。しかしそれを言動に現わせない女性も何割かいる。たいていは気の弱い女性で、ただ拒否反応を起こせないだけなのだが、それを「この女は触られるのを喜んでいるのじゃないか」と錯覚する。その錯覚が痴漢への扉を開けてしまうんだねえ。
 それを言うと知人は「ははあ、おまえはそういう経験があったんだな」とニヤニヤ笑ったものだ。いや、まあ、そうなんだけど、ぼくは思いとどまった。地方出身で通勤ラッシュを初めて経験する若者たちよ、痴漢への扉を開けてはいかんよ。

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