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2017年8月22日 (火)

ボコボコされる男に燃える

 ぼくはただの官能作家ではない。専門分野はSМを含む異常性愛の世界。読む人が「えッ、こんなセックスするやつ、ホントにいるの!?」と驚くような「非日常的なセックス」を書きたい。
 だからネタを探しにあちこちウロウロするわけだが、本当に驚くようなセックスをしている人間がいたとしても、それを公言したり見せたりしているわけではないから、異常なセックスの取材はけっこう難しい。さっきも「異常性愛の分類」なんてリストをながめていたのだが、「ん!? これはあの女のことかな」とふッと思い出した。それは“アベイショフィリア”という嗜癖(やみつきになる癖)で日本では「身体障害性愛」と訳される。たいていの場合、ケガをして包帯や松葉杖、車椅子などの治療器具の世話にならないという障害を負った男女に性的な興奮を覚えるという、薄気味悪い嗜癖の持ち主。まあ異常性愛は正常者からみればみんな薄気味悪いけれどね。
「あの女、これだったのか」と思い出したのは、かつて都心の暴力団の下っぱ組員だったIさんと付き合っていた時のこと。その組はもっぱら闇金融をシノギにしていて、かなり荒っぽいことで知られていた。
 ところがこのIさん、会うといつもケガしてるんだね。頭を包帯でグルグル巻きしたりサングラスの下の片目が真っ黒だったり、片腕を吊ったりギプスをして杖をついて歩くなんてのがしょっちゅう。「すごい人だなあ」と感心した。こんな人が借金返せとやってきたらすぐ返したくなる。
 その時、気づいたのが彼の横にはちょっと凄みのある美人(20代半ばぐらい)がいつも連れそっていて、動作の不自由な彼の面倒を何くれとなくみている。おそらくIさんがヒモで彼に貢いでいるんだと思っていた。
 五、六年して久しぶりに酒場でIさんに会ったらいいスーツを着て貫録たっぷり。組のなかで昇進したらしい。ケガもしていない。ただ、あの凄みのある姐さんの姿がない。それを訊いたら「あいつ不思議なやつでなあ、おれがボコボコにされると燃えるんだよ。ケガの手当てをしてる最中から興奮してハメにくるようなやつだったが、おれが偉くなってケガしなくなると、興味を無くして分かれてった。今はボクシングの三回戦ボーイが恋人らしい。そいつはいつもボコボコにされてるよ」。Iさんは苦笑いしていた。いるんですねえ、こういう異常性愛の持ち主って。

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