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2018年5月12日 (土)

不倫という雷に打たれたら

 少し前のことになるけれど、頭の中に残って「これはいいなあ」と思う言葉があったので、ここで書いておきたい。NHKの『あさイチ』に2月に出演した瀬戸内寂聴さんが、有働アナの不倫についての質問に、こう答えたのだ。
「不倫って、しようと思ってするもんじゃなくて、雷のように落ちてくるんですよね。だから当たったら仕方ない」
 今の若い人には、寂聴さんって「いつもニコニコ笑っているお婆さんのお坊さん」だと思われているかもしれないが、かつては瀬戸内晴美という名で男女のドロドロの性愛を描いて「子宮作家」と呼ばれたほどのベストセラー作家だった。ぼくなど足元にも及ばないけれど、官能作家としては大先輩にあたる。しかも美人で行動的。男性を狂わせた経歴もハンパじゃなかった。その人の口から出た言葉だからねえ、これはそこらへんの偽善的なジャーナリズムの論調なんか吹っ飛ばしてしまう迫力がある。
「(マスコミは不倫のことを)ちょっと書きすぎね。あんなに言わなくたって、書く人だってやってるんですよ」と言われては有働アナも思わず頷いてしまったじゃないか。NHKの主婦向け番組で、あれだけ堂々と正論(?)を言ってのけられるなんて寂聴さんしかいない。まったく感心してしまったね。
 そうなんだよ、不倫であってもなくても、恋愛は雷のように落ちてくる。そうなったら逃れられない。世の不倫経験者はみんな大きく頷いたに違いない。寂聴さんはさらに言う。
「不倫が無くなったら名作小説なんて無くなっちゃう」 確かに。『源氏物語』の昔から不倫の愛があるからこそみんなに読まれてきた。ぼくのような官能小説作家も飢え死にしてしまうよ。
 そこで思い出すのは、ある私立探偵が自分のブログで書いていた言葉。何百組という不倫カップルを調査した彼は「不倫のなかには良い不倫もある」という事実を発見したという。不倫というとドロドロの性愛地獄のなかに落ちてゆくダメな男女を連想するが、そういうカップルばかりではない。「互いに相手のことを思いやり、我慢する時は我慢して、お互いが相手を高めあってゆく不倫というのもあるのだ」と報告する。
 そうなんだよ、二人だけの秘密を守り抜き、お互いの家族を大事にして死ぬまで心が繋がった愛もある。不倫だ不倫だ、悪いやつらだと批難する人間よ、おまえだっていつ不倫という雷に打たれるか分からんのだよ。

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