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2019年9月23日 (月)

絶滅したエロ本の思い出

 アダルトメディア研究家、安田理央さんが『日本エロ本全史』(太田出版)という本を著した。昭和20年代から現在に至るまで発行された主なエロ本100冊の創刊号をとりあげて表紙と共に紹介し、これを全部読めば戦後のエロ本の歴史がすべて分かる、という力作だ。
 そういう本はこれまでもあったが、この本の特色は、著者が現役のエロ本ライターであることから、今世紀に入ってから最新のエロ本まで取り上げられていること、そして「日本のエロ本は終わった!」という結論に到達している部分にある。
 知ってのとおり、最近になって大手コンビニがエロ本の取り扱いを中止した。その結果、わずかに生き延びてきたエロ本出版社は軒並み潰れるか撤退してしまい、エロ本というジャンルはほぼ絶滅してしまった。
 この書の腰巻き(帯)には石野卓球が「学校やテレビが教えてくれない大切なことは大体エロ本から教わった」という文章を書いているが、まさにぼくなんか、そうやって「女というものは、セックスというのは、こういうものなんだ」と教えてくれた裏教科書みたいなものだった。インターネットが普及して今や女の裸なんてイヤというほどタダで手に入れられる。日本の男の子は、もう「エロ本」というものに何の興味も抱かないのである。
 しかし寂しいことである。『日本エロ本全史』にとりあげられている『りべらる』や『あまとりあ』はぼくの父親の本棚から出てきた。ぼくは高校時代に『100万人のよる』とか『世界裸か画報』なんてのを読みたくて仕方がなかった(高校生が書店で買うには勇気が要った)。そのあと『週刊プレイボーイ』や『S&Мスナイパー』などに自分が関係するようになるとは夢に思っていなかったが(「『週プレ』はエロ本じゃないだろう」と思われるかもしれないが、パンチも週プレも当時は充分にエロ本だったんだよね)エロ本は常に「エロ心のふるさと」だった。
 この書を読めばほとんどの男たちが「ああ、、こういう雑誌でずいぶん抜いたなあ」と思い、懐旧の念に浸るに違いない。親に見られないように隠し場所に苦労したとか、古本屋で見つけたエロ本の肝心のヌード部分が切り取られていた苦い思い出とかね。
 しかしそういったエロ本文化が絶滅してしまったこれから、多感な少年たちはあのドキドキワクワク感をどこで得られるんだろうか。エロ本が無い時代は幸せなんだろうか、と思わずにはいられないおじさんであった。
(2019年8月2日付号)

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